神(おっさん)対面
「よお、さっきぶり兄ちゃん」
…凄まじく爽やかに(裸で)挨拶されたぞ…なんなんだこのおっさんは本当に…
「お、おう…あーそれより服着ろよ風邪引くぞ」
「そりゃ気にすんな!俺は超すげぇから風邪なんざ引かねぇんだアッハッハ!」
ハッハッハ面白いこと言うねそういうことじゃないんだよわからないのか?お?何が悲しくて元の世界捨てた瞬間に野郎の裸を見にゃならんのだ
俺はてめぇの不快なブツを隠しやがれって言ってんだボケが
「てめぇの不快なブツを隠しやがれって言ってんだボケが」
あ、やべ口に出た
「あ、そゆことか、ワリーな兄ちゃん可哀想な極小◯◯◯の童貞にゃ少し刺激が強かったか」
「てめぇぇぇえ!!歯ァ食いしばれやコンチキショォォォォォォォォォォオ!!」
「フッ…今の状態のお前が俺を殴れる訳がグェガヴルォ!!??」
「ったく、いちいち勘に障んだよてめぇ」
「ってあれぇ?……兄ちゃんお前、どうして身体があるんだ…?」
なに言ってんだ?と思いながら男は自分の体を見る
……………裸だった……………
「あれぇぇえええええ!?」
「フム…まさか…いや、今までの奴等にこんなことは無かったが……」
「服は!?」
「コイツまさか…いやでも、うーん」
ドンッと踏み込む音が響き握られた拳は側頭部へと吸い込まれた、晒されたイチモツと無駄にガタイの良い体が宙を舞い何も無い世界の地面に頭から叩きつけられる
「おいいいいいいい!!イッテェよ!急に何しとんじゃワレェェェェェエ!!」
「ッフ」
「クッソてめぇ許さん!」
男は切れた
「どうでもいいから服寄越して本題を話しやがれコンチキショォォォォォォォォォォオ!!」
「それ忘れてたァァァア!」
おっさんは姿勢を正し、また姿勢を崩し語り始める
「俺は神だ」
「は?」
「いやね、よくいるじゃない、漫画アニメゲームでもよく見かける異世界行くときのあれ」
メタい、この神を自称するおっさんマジメタい
「まぁ神っていうか何て言うかな存在なんだがね、俺の仕事はお前ら現世の死人または世界に絶望や失望をする者を想世へと送ることなんだ」
「想世?」
「今から兄ちゃんが行く異世界だ、地も海も宇宙までも果てがなく時代も生物も所かまわずごちゃ混ぜで現世の過去と未来、そして現世に生きる全ての人間の想像の投影された世界だ」
「すげぇ……」
「そこで俺は今まで何人もの人間を送って来たわけだ」
急に真面目な声音へと変わった
「チート級の能力与えた奴が多くなりすぎて世界の均衡が崩れた!」
と思いきや笑顔で明るく言い放つ
男は声が出なかった、ただ無能なゴミを見る目をしていた
「そこで今回送るに値すると選ばれた兄ちゃんに依頼を任せたい!内容は簡単、チート能力持ちの殲滅を依頼する!」
飽きれた声で質問をする
「馬鹿か……てか世界の均衡が崩れたってどういうことだ?」
「では、まず想世の仕組みを簡単に話そう、この世界では大きく二つの種によって分れている、人間と魔族だ、基本的に人間と魔族は同等の実力差になるように世界が作られている、よってチート級の人間に対抗するように魔族全体が今までとは比べものにならないくらい強くなったのだ」
「でもそれならチーターが対抗すりゃ…」
おっさんは言葉を遮った
「たった数百人程度のチーターで何億、何十億のただの人間は救いきれると思うか?」
「………確かに」
男はこのままでは何十億もの人間が絶望に落とされてしまう事実に気付く
「俺にチーター共を殲滅しろっつったけどそれは俺にチート能力を渡すって事か?本末転倒だろそれじゃ、しかも勝てるとは限らねぇし」
おっさんは不敵に口を歪める
「兄ちゃんにはある程度しか力をやらん」
「………は?、いやいやいやどうやってそれで勝つんだよ!」
「フッ、チートでは無いがとっておきのスキルがある」
「とっておきのスキル?」
超ドヤ顔で言い放つ
「その名も〖成長速度10倍〗!!一度に手に入る経験値が10倍になるスキルさぁ!」
「おぉ!!ゲームっぽいのキタァ!」
俺歓喜………って
「チートじゃねぇか!」
「違う!これは普通に存在しているスキルだ!超取得しずらいだけでな!」
「本来の取得方法は?」
「一秒間に10000回死亡と復活を繰り返す」
「無理じゃん」
「だろ?」
スキルと言う個々で保有している能力があるのか、死んでも復活出来るみたいだし魔法や伝説のーみたいな何かも色々ありそうだな、あらかたチーター共はチートスキルかチート装備を持ってるってところだな
何これすげぇテンプレばっかじゃん
「と言ってもだ、スキル一つだけじゃ心もと無いしすぐ死なれても困るから、ギリギリ天才の枠内で済む程度にお前にスキルとステータスを追加で与える」
「多分だけど想世にはステータスは数値化されてるんだろ?そうだな…いくつ種類があって、大体数値はどれくらいが凡人のステータスだ?」
「そうだな、ステータスは5つ筋力、敏捷、体力、魔力、運が数値かされる、凡人の全てのステータスは10が大体の平均だ、それぞれの説明はあとで頭に入れといてやる」
何か気付いた様に尋ねられる
「そういや兄ちゃん名前訊いて無かったな、名前は?」
「俺は月島 元だ」
「いやいや違うだろ?」
そうか俺は前の世界を捨てるんだったな
「そうだな……よし決めた!」
「それでは再度問おう!兄ちゃんの名前はなんだ!!」
「ゲン、ゲンだ!」
大事なことだから二回言ったぜ!
「了解した!それではg」
ゲンは言葉を遮る
「あ、名前は一旦置いといて訊きたい事がそういやまだあっt」
心底面倒臭そうに言葉を遮り返しおっさんは
「ッケ、残りは全部頭に入れといてやるからもう行け!説明ダルい!飛ぶ場所は盗賊の居座る〖キノの森〗!森を抜けたらひたすら朝日の方へと進め!そこに最初の街がある!盗賊蹴散らし進めよ勇者、苦難乗り越え栄光あれ!んじゃまぁ行ってらっしゃい!」
「あ!コラ待て最後まで言ってけコンチキショォォォォォオ!!」
「あとは任せたぜゲン!またな~!」
そして世界は暗転した──────