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幸せな人生の為の転生者狩り  作者: さいじゃ君
1/5

開幕

時刻2:30

真っ暗な部屋の片隅にあるPCが突然爆音を放ち部屋に光を灯す


『はろーえぶりわぁぁあん!皆さんどーもこんにちは!みんな大好きゲームおじさんことバグリオさんのお出ましだZE~★』


突然響いた頭の悪い声に男は目を覚ました


「………んだよ…くっそうるせぇな……ってあれ?PCの電源落とし忘れたか…?」


画面の先のおっさんが口を開く


『ノノンノンノンノン、俺ちゃんが画面をつけたのさ~』


「あっそ、うるせぇな消えろ」


『なぁに~!?君少しは驚くとかしないのかい!?勝手に遠隔でPC操作されてんのよ!?』


それでも男は動じない


「いやまぁ、俺の性癖バレたところで困ることなんざ何もねぇからな。いいぜ?先に言ってやるよ、貧乳ロリの先輩属性を持ったSっけのある女性が好きなのさ!!!!」


………この男は至って真剣である、もう完全に目も覚めている


『んなもん現実にゃいねぇな、残念だったな兄ちゃん…おめぇ絶対童貞だろ』


「さっそくおめぇ呼びかよ!てかうるせぇな童貞で何が悪い!!!!」


悲しい怒鳴り声が止んだまるで北極の様に寒く静かになった部屋に隣の部屋から壁を叩く音が響く


「やべ、夜中だった…」


『なぁ兄ちゃんこんな世界抜け出してまるでゲームの様なファンタジーの広がる世界に行きてぇと思わねぇか?』


おっさんは画面の先で目一杯の笑顔を見せる


「バカか、行きてぇと思って行けるかよ。第一に俺は別にこの世界に不満なんざありゃしねぇよ…」


男はそう吐き捨て床に着く


『糞みてぇなガキの集団の中、一人孤独に教室の隅で周りに怯えながら過ごす生活が楽しいってことか?』


「あ?」


『親は仕事を辞め、ヤバいもんの取引をし、妹は身体を売って小遣い稼ぎをしているこんな家庭が楽しいか。楽しいはずが無いよなぁ不満がねぇわけねぇよなぁ?』


おっさんはほくそ笑みながらペラペラと喋る


「てめぇ、ぶっ殺すぞ?」


男は死んだ目でPCを睨み付けるがそれでもなお、おっさんは続ける


『不満無く楽しい生活してたら家飛び出して一人でアパートなんざ住む筈がねぇわな、まぁバイトして貯金してたのと何とか親の許可を獲たことで一人暮らしを満喫してる様だが…』


「うるさい…うるさいうるさいうるさい!!!!」


『先月の家賃で貯金も底を尽き、現在断食三日経過…さぞかし幸せな人生を…』


PCは一瞬宙を舞い画面を上に床へ落ちた

明かりを灯す画面には大きくヒビが入っている


「そろそろ黙らねぇなら…」


『行ける』


「ぶっ壊す!!」


男が振りかぶったその瞬間、虚空に大きな亀裂がはしる

男は止まるそして青く輝く亀裂の中を覗く


「こ…れ、は……」


言葉は出ない、ただその先に在るのは青く輝く空、紅く猛々しく天を羽ばたく竜、街はまるで漫画やゲームで出てくる様な中世と現代、近未来を混ぜ合わせた様な大都市、都市郊外では騎士や魔法使いなどが魔物と剣や魔術で凄まじい攻防を繰り広げている


『…どうだ?凄いだろ?』


割れた画面の先でおっさんは笑う


「本物なのか…?」


『おう』


「本当に行けるのか…?」


『本当さ』


男は膝を着いた

涙を流し息を殺し、安堵をし懇願するように声をだす


「………む…頼む!!!!」


『よしきた!』


世界は止まる、そして歪み、曲がり、亀裂が入り、少しづつ剥がれ光に包まれる────


────夜は消えた、目の前には何もなく、男の身体も存在しない

足音が聴こえ振り返る


『よお、さっきぶり』


おっさんは何故か全裸だった

もしよろしければ楽しんでいって下さい!

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