人は見かけによらない?
俺はその置手紙と軽い装備をもって、急いで指定された目的地に向かった。
(ふざけんなよ!何勝手にかわいい子たちをさらってんだよ!絶対に許さねぇ!)
現実の世界でも、こんなに怒りを覚えたことはなかった。だからなのか...
「あっ!俺、カルトコンビナートの場所...知らねぇーーーー!」
若干の焦りが出てしまった。...そう、若干の...
「どうしようか...」
ただでさえ、知らない世界なのに名も知らない場所に行けるわけないよな。とはいえ、何とかしなくてはならない。
(誰かに聞かないとな...)
そう思いながらきょろきょろしてると、
「どうしたんですか?」
「君は...食堂の!」
俺の前に現れたのは、さっきの食堂の店員さんだった。
「あ、あの!カルトコンビナートってどこにありますか?」
「カルト...あーあそこっすかー。南地区の端っこのほうにありますよ」
「あ、ありがとうございます!」
すぐにお礼を言って、俺は南地区の方向に全力で走っていった。詳しい場所までは聞かなかったが、コンビナートという名前からしてなんとなくわかる気がしてたからだ。距離にして約1km、全速力で4分といったところだ。
「あっ!そういえば確か、スキルがあったような...あった!」
そして俺は見つけたスキルを発動した。
「ファスト‼」
足に青い光がともると、その足はものすごい速さで動くようになった。
(思ったよりも早いな、これなら2分弱でつけるかも!」
そう思い、俺は全力で走った。
~カルトコンビナート~
「ん!んんんん!」
「おいおいうるさいぞー?お前らは静かにしとけばいいんだよ」
私たち4人は、見知らぬ男たちにさらわれた。一応は抵抗した、でももちろん相手は男の人、力もあり、かなわなかった。ここがどこかはわからない。でもどこかのコンテナの中だと思うんだけど、何しろ暗くて何にも見えない。しかし、何もできないというわけではない。
(腕は縛られてるけど、手は空いている。これなら魔法がつかえる!あとは...口のテープさえなんとかできれば...)
魔法は言葉で唱えられて、手さえ空いていれば発動できる。とにかく私は口のテープを頑張ってはがそうとした。
(んーーもう少しなのにーー)
もう少しのところで、はがせなかった。
「ん?なんだお前、騒がしいぞ?」
「ん!?」
さすがに暴れすぎた。
「おとなしくしとけって言ったよな?そんなこともできないのならお仕置きだな~?」
そういって男は、鉄パイプを持って殴ってこようとした。
(もうやばい!殴られる!誰か...助けて...)
心からそう思った。 そして無意識に彼の名前が出てきてしまった
(風牙なら、私たちの居場所くらいすぐに!)
『バン‼』
勢いよくコンテナのシャッターが開いた。
そこに立っていたのは、風牙...ではなく、体の細い男性だった。
「だ!誰だ!」
(誰あの人...)
息を軽く吸って、男性はさわやかな声で言った。
「通りすがりの用心棒です」
そう言って、男性は手に持っている刀を鞘から抜き軽く構えた。
(なんか...様になってる...)
「てめぇ一人ごときでこの人数を相手にできると?」
確かに。男性一人に対して、相手は6人...到底かなうとは思わない。
(大丈夫かな?)
「てめぇら!やってしまえ!」
「「「「「おおおーーーーー!」」」」」
男たちはいっせいに襲い掛かった。
「んんんん!」
「ものを振りかぶるときは、隙を作っちゃいけないものです」
シャキーーン!
「「「「「んがぁーーーーー!」」」」」
(!!!!!!)
謎の男性はほんの一瞬で、男たち5人をまとめて切り倒した。
(い、いったい彼は何者なんだ?)
~一方、風牙は~
しまった...
「場所には着いたけど......どのコンテナかわからねぇーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」