独断と偏見と怒り
どうも俺は、金稼ぎのために倒したあいつらのせいでランクがBになったらしい。なんか得した気がするから、まぁ良いとするか。
みんなはCで俺はB、クエストはパーティーメンバーの1人が推奨ランクに達していれば受けられるそうだから俺らはBまで受けることが出来ることになる。とてもいい事だ。だから俺は心の中で喜んでいた......だったが、
「なんで風牙だけBなのよー!」
『『『『ねーーー』』』』
どうも他のみんなからは、猛バッシングを受けているのだ。なんて嫉妬深い子達なのだろうか…
14歳1人と15歳2人と12歳1人なのにみんながみんなこれだと、大変だな。
お、俺は別にロリコンじゃないからな!
好きでこいつらと一緒に行動しているわけでは…なくもないかな?
~次の日~
俺は相変わらず、狩りをして素材とランク昇格のための経験値を稼いでいる。なんとも、この世界ではモンスターを倒すごとにその人自身のギルドカードに「経験値」として加算される。その経験値は一定量をためるとランクを昇格させる権利を手に入れることができる。
いあの日本…いや世界にだってそんな技術はないだろうし、
「異世界って何でもありなのか?」
そんなことを考えながら、ひたすらモンスターが沸き続ける場所で狩りをしています。ハイ。
「っと、もう昼かー。今日はどこで飯食うかなー」
この世界に来てから、いいことや楽しいことばかりじゃない。何しろ、冒険者の割合が多いこの世界では料理がまともにできる人が少ないのだ。だから、飲食屋の中でも...なんというか、まずい店がよくあるんだよな。この世界に「料理スキルレベル判別スキル」がないのには、少しがっかりだ。
まぁ、冒険者の俺には関係ないけどな! かんけい...ない...ぞ...?
「んじゃ~...今日は、ここの店に行ってみっか...」
俺は、覚悟してこの町の大通りの片隅にあった『桜坂食堂』という店に入ることにした。この世界でも元の世界と同じ言葉や単語が使われているので案外助かっている。
「いらっしゃいませ~」
挨拶をしてくれたのは、細い体をした若い男性だった。見る限り、やる気のなさそうな顔をしている。
これは...まずいぞ...
「何にしますか?」
「え~っと...」
風牙は考えた まずいものを選ばずに できるだけうまいものを選ぶために
その結果、ある程度味が整いやすいであろうチャーハンにすることにした。
「んじゃー、チャーハンで...」
「かしこまりましたー」
だ、大丈夫かな?今日が俺の命日とか勘弁だぞ?......あ、おれ一回死んでるか...
「お待たせしましたー」
「......」
出てきたのは、見た目は何ら変哲のないチャーハンだった。だが問題は見た目ではない、味である。
「...い、いただきます」
そして俺は、恐る恐るそのチャーハンを口に運んだ。
「⁉」
その味は予想をはるかに超えてきた。 うまかったのだ。
「うまい‼」
あまりにもうまっかったもんで、バクバクと口に運んで行った。結果チャーハンはすぐになくなった。
(人って見かけによらないもんだなー)
俺はその奇跡の逸材と認めた男性を見た。髪は赤茶で少し長く、やる気のなさそうな目をしていて、右腕には包帯がまかれていた。
「美味しかったです!得意なんですか?」
「いえ、趣味でやっているので」
趣味でこんなうまい料理ができるのなら、この国の全員に趣味として進めてやりたい。なんて言ってもここ以外に美味しい料理が作れる人を知らないからな~。...そう考えてみるとなんか悲しくなってくる...
「ただいまー」
俺はかなりいい気分で宿に戻った。 はずだった...
みんながにぎやかにしていると思っていたはずが、そこには明かり一つなかった。
「な、なにが、あったんだ...」
突然のことに動揺を隠せずにいた俺は、中央のテーブルに置手紙のようなものがあった。
それを読んだ俺は、驚きを隠せなかった。
【少女たちは預かった。返してほしくばカルトコンビナートに来い】
詳しい理由はわからない。だが俺は、過去一怒りを覚えていた。