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チェック・メイト  作者: スーパー
第1期
3/7

早起きは災難の種

シュッ!シュッ!シュッ!...

「はぁ...はぁ...はぁ...」

現在の時刻は朝の5時、俺は宿の前でスキルの練習を含め剣術の練習をしていた。朝4時から始めていたので、かなり体に疲労が来ていた。

「いやぁーめっちゃ疲れたな〜。確率的には2回に1回程度で『ライジング』を使える感じかな…100%にはまだまだ練習が必要だな」

今日中には完璧に取得しようと思っていた。


「ほら!しっかりあるけ!」

「...嫌だ...」

「口答えするな!」

知らぬ男が、はたこうとした手を俺は直ぐさまに止めに行った。

「なんだ貴様?」

「こんな小さな女の子に手を出すのはどうかと思うけど?」

よく見てみるとその女の子は手を鎖で縛られていた。

(捕まってるのか?)

「ふん!奴隷は奴隷なりの生き方ってもんがあんだよ!」

「奴隷?」

「お前、この首輪知らないのか?」

「知らないけど。手を出すのは別なんじゃないかな?」

「うるせぇ!こいつの家系は代々我が国の奴隷だったんだよ」

「国の奴隷だと?」

「我が国、アルカ国はある家系の者を代々奴隷として他の国で売り払っているのだ」

「それでこの国に来た、ということか?」

「そうだ、この近くが会場になるぜ」

「そうか。まっ、そのまま見過ごすわけには行かないな」

そう言い、俺は木刀を手に取った。

「ほほぅ?俺に楯突くっていうのか?」

(このセリフどっかで聞いたことがあるような気が...)

「俺は、アルカ王国国王の息子だぞ?俺に手を出したらこの国がどうなることか」

「俺はどの国にも属していない、ただの旅人だ。責任は俺だけのものだ!」

「ふん!生意気なことを言うやつだ。なら俺が相手をしてやろうじゃねぇか」

そう言い男は、剣を取り出した。

「...かけろよ?」

「は?なんだって?」


「剣を抜いたからには命かけろよ?」


「上等じゃねぇか!」

男はすごいスピードで近づいてきた。

「『バニシング・ドライバー』!」

「す、スキル?」

おそらく、剣術のスキルだろう。ものすごいスピードを出してから発動したので『ライジング』系統ではないことは確かだ。しかし、防御系のスキルは覚えていなかった。

(くそ!こうなったらオルガーの時と同じく受け流すしかねぇか!)

俺は、男の剣に沿って攻撃を流した。

「なっ、受け流し!?」

そして、そのままの勢いで前から振り下ろした。

「はあーー!」

男は、約200m先に飛んでいった。

(やっぱし木刀じゃ斬れないからなー)

そう、木刀は両方に刃の形はあるが落としてあり、持ち手のところに布がヒラヒラしているだけの木刀では到底、鎧を着た騎士には敵いはしない。

「やるじゃねぇか...」

「そりゃどうも」

「もう手加減はしねぇぜ」

「俺も本気で行くぜ!」

『ライジング』!

2人とも、同じ技でぶつかりあった。しかし、呆気なく俺の剣は弾かれてしまった。その流れで体に剣撃を食らった。

(同じ技なのに...弾かれた?)

俺は、そこにうつ伏せていた。

「ふん!ろくにスキルレベルを上げてなかったんだろ?こういうところでさができるんだぞ!」

「...レベル差か...」

そう言えばスキルを教えてもらった時に言われたような気がした。

「んじゃあな!俺は急いでいるんだ。ほら行くぞ!」

「...待て!」

「なんだ?」

「終わってねぇぜまだ...」

(た、立ってる...だと?まともに俺の技くらってまともに立っていられるなんて...)

「お兄さん!そこにある剣を、使ってください!」

「君...」

「勝手に喋ってんじゃねぇ!」

女の子は叩かれた。その隙に俺は、言われたとおりに剣を手に取り、構えをとった。

(軽いな...ちと使いにくいかもな…)

と、思いつつも男に向かって駆けて行った。


激しく剣と剣がぶつかり合い壮絶な戦いとなった。もはや、朝の5時半に行う戦闘ではないと思うほどだった。俺にとっても初めての実戦だし、つーか現実でも剣なんて竹刀しか持ったことないし!

「ん?待てよ。この剣、俺が使っていた竹刀より少し軽いぐらいだからもしかしたら…」

俺はある案を考え試してみようと思って一回距離をとった。

「どうした?怖じ気付いたか。所詮その程度かよ」

「それはどうかな!」

俺は、男に向かって床を蹴り、最速の速さで男の目の前に駆け寄った。

「なにっ⁈」

男は驚いた拍子に、重心を後ろにかけ倒れるところだった。俺はそこを逃さなかった。剣道と同じように上から頭めがけて、剣を振り下ろした。

「めーーーん!」

見事剣は男の兜をかち割り、快音が響いた。男に話しかけてもどうやら気絶したようで、何の反応も示さなかった。俺は、剣道の時と同じように口癖を口にした。


「チェックメイト」


その後、貸してもらった剣をしっかり返し少女の話を聞いた。

少女の名前は、カリン・トルード。隣町の奴隷だったらしい。この街でオークションとして世に売り出されるところだったらしい。年齢は14歳といったところだろうか、身長もそんなに高くなく少し小柄である。見る限り細剣使いと思われる。

「助けてくださりありがとうございます。何とお礼したらよいか」

「いやいやお礼なんていらないよ。当たり前のことをしただけだよ」

といったものの、内心すごくビビっていたのだが…

「おっと、もう6時半か。あいつらを起こさないとな。えっと〜カリンは中で待っててくれ」

「え?だ、大丈夫ですよ。お金も持ってないし」

「お金のことは気にしなくて大丈夫だよ。中に入って入って」

カリンは、そわそわしながら入っていった。その時、この子が今までどんな仕打ちを受けてきたのか、よくわかったような気がした。


俺はエルザとセルザを起こして、この状況について話した。2人とも理解してくれて、カリンを3人で割り勘で泊まらせることにした。

「カリンの話によると、今日の18時から大事な親友がオークションに出されると」

「はい。その子の名前はアイリスっていうんですけど、それをどうにかして阻止したくて…」

「わかった!俺らが何とかしよう!」

「ほんとですか?」

俺は任せとけと言わんばかりに胸を叩いた。

「でもどうするっていうのよ」

「大丈夫だ。俺に策がある」


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