表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/38

■ 東京3・北 ■

 さて、どうしたものだろう。ここでお土産を買って浜松町から空港に戻って、という経路を考えていたのだが、東京駅を発つまでにまだ二時間位は余裕がある。どうせ空港まで戻るのだからと、モノレールに乗り換える浜松町までの切符をとりあえず買っていた太一であったが、さすがに何処か観光して帰るべきであろうか。浜松町であれば歩けば東京タワーがあるが、どうせならスカイツリーに行ってみたい。しかし調べてみるとここから三十分はかかるようで、平日でもそこそこ混雑するようなのでとても二時間では回れそうにない。スカイツリーの辺りを適当に地図アプリで拡大縮小や上下左右への移動を繰り返していると、近くに浅草寺という文字を見つけて手を止める。そうだ、東京といえば雷門があった。先日ようやく連載を終えた某警察官の漫画でよく出てきていて、一度は行ってみたいと思っていたのだが、東京に来る機会などなかなかなくてすっかり忘れてしまっていた。よし、ここへ行こうかな。でもそうなるとお土産を先に買ってしまったのはまずかった。ちゃんと考えてから行動しないといけないな。そう後悔をしても、後悔は先には立たないものだからやむを得ない。小学生の時はよく通知表に「もっと計画的に行動しましょう」なんて書かれていたけれど、あの時から全く進歩していなかった。それでも、ここまで順調に人生を歩んで来たのだから、人生無計画であってもなんとかなるものである。ひとまず、太一の無計画さの象徴でもあるそのお土産は、コインロッカーにでも預けることにしよう。そう思いキョロキョロと見渡していると、駅構内の案内図を見つけた。しばらく見ていると、土産物屋の並びと東海道新幹線の乗換改札口との間にコインロッカーがあると分かったのでそこへ移動した。財布とスマートフォンとポータブルの音楽プレイヤーだけを小さめのショルダーバッグに移し、お土産の紙袋と肩に抱えていた旅行かばんとをロッカーの中に何とか押し込んで鍵を締める。重たい荷物から解放されて、太一は大きく伸びをした。着替えくらいしか入れていなかったのでそう感じていなかったのだが、やはり二泊分の荷物は意外とそれなりの重量を備えていたらしい。

 さて、浅草寺まではどうやって行きますか。スマートフォンを取り出し、検索機能で東京駅から浅草寺までのルートを検索する。いくつか候補が表示されたが、JRで一駅、神田駅まで乗って東京メトロに乗り換えるのが最も分かりやすくて良さそうだ。浜松町までの切符で神田駅まで行けることを確認して、太一は改札を出ずそのまま三番線ホームに上って電車を待つことにした。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ