01-時計
再投稿を始めます\(^o^)/
ボチボチ頑張ります
8月中旬〜某高校空手部道場〜
そこでは道義に身を包んだ男子が大勢おり、現在、二人が組手をしている。黒帯と茶帯が組手をしており、茶帯の方も一歩も引いていない。だが、黒帯の方が距離を取り後ろ回し蹴りーー後ろに回り、踵など、足首より下を相手に当てる技ーーが茶帯の顎を捉える。力なく崩れ落ちる茶帯。
「やめ、そこまで!一本で佐久間の勝ち、お互いに礼!」
茶帯の方はフラフラだ。黒帯を巻いた佐久間はまだ余裕の顔だ。
「押忍、ありがとうございました」
握手を交わし、二人は中央から端による。そこで佐久間は先生に話しかけられる。
「佐久間〜お前、もう部活ないなら負けないんじゃ無いのか?」
「先生を除けば負けませんね。」
先生は笑いながら言う。
「ハハハハハ、そうだな。まだ俺には勝てないか。」
「無理ですよ。先生は人間離れしてます。」
ちなみに先生は30前半の男性で身長は172cmでメチャクチャ筋肉がある。
「佐久間よ、俺を倒したいか?」
真剣な顔で聞かれる佐久間。一瞬佐久間は迷ったが答えを出す。
「今は無理でもいずれ倒します。」
「そうか、部活が終わったら俺の車に来い。いい所に連れて行ってやる。」
「はい、わかりました」
部活後〜先生車内〜
「先生、どこにいくんですか?」
「俺の家だ」
「そうですか」
「ん?怪しんでいるな?いい所と言ったが、正確には良いものをやる。間違いなく、明日には俺を倒せるようになるさ」
「ますます怪しいですね」
「まぁ、そう言うな。ほれ、そこが俺の家だ」
「近いっすね、15分くらいでしたよ?」
「近いから毎朝楽だ」
先生は声高らかに言う。佐久間はさらに心配になって来た。
すると先生はシートベルトを外しながこう言う。
「すぐに取ってくるから待ってろ。」
「わかりました。」
5分後
先生が手にしていたのはティシュケースくらいの箱だ。それを佐久間に渡す。
「なんですか?これ?」
「魔法の時計、とでも言っておくか?」
「ふざけてるんですか?怒りますよ?」
「いやいや、マジだからね?実際これ使って俺は強くなったから」
佐久間は疑いを掛ける目で先生をみる。
「わかりました。先生を信じます。」
「おう。それは良かった、家まで送るか?」
「いえ、大丈夫です。近いですから」
「そうか、じゃあまた明日な」
「はい、失礼します」
佐久間は先生の車を降り、歩き出す。家は歩いて15分の所にある。
そして家に着くと箱の中を確かめる。そこにはアナログ時計が一つと取扱説明書が書かれていた。説明にはこう書かれていた。
異世界転送時計説明書
1.この時計は所持している人物を異世界に転送する時計です。
2.異世界に転送されている間は現実世界の時間は停止されます。
3.異世界に電子機器などの物は持ち込みは出来ません。異世界での作成も禁止とさせていただきます。
4.時計中央のボタンを押すと転送が開始されます。
5もし、異世界で死亡した場合は現実世界でも死亡します。悪しからず。
6現実世界に戻るには………をしてください
…の部分は文字が読めなくなっている。
「肝心な所読めねぇーじゃねーか!」
「だが、要項はわかった。要するに異世界で修行して来い、そうすれば先生よりも強くなれるわけか。」
一呼吸おき
「んな事信じられるか!あの先生騙しやがって……まぁ、いいや俺好みの時計だし、時計をただでもらったと思えば安いもんか」
早速その時計をつけてみる。なかなか様になっている。
「今日は疲れたしもう寝るかな」
佐久間はベットに潜る。残念なことに普段時計をしない佐久間は時計を外す習慣がなかった。佐久間自信その事を後悔するだろう。