32/34
破壊~破戒のイケメン
もうだいぶタケシさんは部室に顔を見せていなかった。
ずっとあの人の背中を頼ってきた僕と佳澄さんは、もはや途方にくれていた。
〇
「やってしまいましたね」
ケイトさんは言った。
電脳部室にはタケシさんを除き、いつものメンツがそろっていた。
「独断で行動するなどありえないことです」
ケイトさんの情報によると、タケシさんは一人で相手組織に乗り込んでいったらしい。
「さすがタケシさんよ!その勇気に俺たちも続こうじゃないか!」
ユウイチさんは興奮しているようだったが、ケイトさんはそれを冷めた目で見ていた。
「チームプレーができない人と仕事はできません。これでもう終わりにしましょう」
ケイトさんはそれだけ言って部室を出ていった。
ユウイチさんはその背中にむかって何か怒鳴っていたが、その声もむなしく響いて消えた。
ほかのメンツも少しずつ消えていって、部室には佳澄さんと僕だけが残っていた。
「……」
何も言うことはなかった。
涙だけが出た。




