停滞~微笑みのイケメン
事態の膠着を感じていた。
準備は着々と進んでいるとはいえ、連携はとれているわけではないし、作戦首脳のケイトとユウイチは衝突が絶えない。おまけにトオルは脱退した。
このところ僕は休みとなれば終日ヒロさんのショップに入り浸っている。
控室にこもり、何を話すでもない。
しかしなにか落ち着くのだった。
「コーヒー飲むか?」
そんな僕をヒロさんは何も言わずに受け入れてくれるのだった。
「ありがとうございます」
このところ僕はかなり冷静になっていた。というか、悲観的になっていた。
「僕はなにをやってるんですかねえ……」
ひとりごちると、ヒロさんは静かに話を聞いてくれる。
「だいたい無謀なんですよねえ。ただの高校生が手を出す話じゃないんですよ」
僕は愚痴り続ける。
「お遊戯じゃないんですよ。人も死んでるんですからね」
ヒロさんは二人分のコーヒーをテーブルに置いて僕の向かいに腰を下ろした。
「状況はそう悪くないよ。僕の知り合いもだいぶ動いてくれている」
ヒロさんは言う。
「それに、最近の情報だとどうやらマツダは監禁されているというわけでもないらしい」
僕は顔を上げる。
「どういうことです?」
「Gの中にはな、やはりマツダの教え子も結構いる。恨まれもしていたが、中には実は慕っているやつもいるからな。そういうやつを中心に更生させようと働きかけているようだ」
「……」
「そういったやつらの監視でしかないから、まあ軟禁程度のものだろうな」
とすればマツダは好きで監禁されているようなものだ。
だから学校側もあまり話を大きくしてないのかもしれない。
とはいえ大の大人の行動としてはあまりにも無謀……。
考えが安直で子供じみている。
ヒロさんは僕に優しい笑顔を向ける。
「タケシ君は、すごく成長したんだな。いい顔をしているよ」
「……」
ヒロさんのSクラスの微笑を受けては、僕も照れずにはいられない。




