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上昇~邂逅のイケメン

 ユウイチはせっかちな男に見えた。

 息を整えると、文句を言いたげなセイヤを差し置いてさっさと本題に入った。


 「俺の友達のことなんですけどね。悪い奴じゃないんですけど、変な連中とつるんでまして。ちょっとしたヤクザもんの使いっぱしりみたいなことをやってたんですが、最近それを抜けたがってまして。かといってたやすく逃がしてくれるほどたちのいい連中でもなくって」


 そうまでいうと、彼はぬるくなったお茶を飲みくだした。

 「そいつを抜けさせるのに手を貸してくれませんかね?お願いします!他に頼れる人がいないんですわ!」


 あまりの勢いに僕らは気押されてしまった。

 なんとも急な依頼だし、いつからここは相談所になったのだ。


 僕が言いかける前にセイヤが抗議した。

 「いや、いきなりそんなこと言われても困りますよ。第一なんでタケシさんなんですか」

 「無礼は承知です。でも今この学校で腕で名を売ってるのは俺とタケシさんくらいなもんじゃないですか」


 さらりと自分を褒めあげたが、どこまで本気で言っているのかよくわからない。

 「別に腕で名は売ってないつもりですけど……」

 「そんなことありません。タケシ先輩に喧嘩は売るなってもっぱらの噂ですよ。一度あったじゃないですか、彼女さんにちょっかい出した野郎を締め上げたことが」

 「彼女って誰のこと?」


 話が急すぎてついていけない。

 「え?佳澄さんですよ。彼女さんですよね?」

 「いや彼女ではないけど」

 「え~~~!!」


 いちいち大げさな男だ。僕はだんだん腹が立ってきた。

 

 「あ!俺紹介状預ってるんです!これ渡せば話聞いてくれるって言われて。よくわからないんですけどこのハンカチなんですが」

 そう言って彼が取りだしたのは、見覚えのあるハンカチだった。


 僕があの夜、要り用の由香里に渡してやった、僕のハンカチだ……。

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