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上昇~想うイケメン

 僕は道場の控室でセイヤとともに人を待っていた。

 セイヤが淹れてくれたくれた緑茶を啜りつつ、遠くに響く運動部の掛け声をなんとなく聞いていた。

 

 待ち人とは剣道部のユウイチ。

 彼は僕とはクラスが違うし、接点といえば道場で見たことがある程度の仲だった。


 「遅いなあ」

 セイヤが苛立ったように言う。

 実は今回、セイヤの紹介という形になっている。なんでも僕と話がしたいから引き合わせてくれということらしい。しかしそういうことなら直接言えばいいと思うのだが、最近セイヤとやたらつるんでいるせいか彼が僕の秘書役か何かだと勘違いされる節がある。


 「自分で呼んどいてこれはない」

 仲介人という役割を得た気持ちでいるらしく、セイヤは少し誇らしげだ。

 「まあ授業が長引いたのかもしれないしさ」


 窓から吹き込む風が気持ちよく頬をなでる。その感触に、雑念が湧き上がる。


 (だめ……)


 意識が遠のきそうになる僕に最後に聞こえた由香里の声が、耳にからみついてはなれなくなってしまう。あれから何度も考えてしまって困る。

 

 しばらくすると玄関の方から騒がしい足音が聞こえてきた。

 「いや遅くなってすんません!俺がユウイチです!」

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