変革~誘惑のイケメン
トオルに言われた通り、できるだけ人を集めようとした。
が、なにしろまだ人脈というほどのものがない僕に集められる人手などたかが知れている。
僕は昼休み、道場の控室でセイヤと佳澄と向かい合っていた。
「というのが事の次第だ。なんとか人を集めないと交渉することすら危ないかもしれん」
二人は驚き、真剣に話を聞いてくれた。しかし彼らを人数に加えるのは難しい。強力な助っ人が欲しいところだった。
「クラスの男子じゃだめなの?」
と佳澄は提案する。
「いや、やはり信頼できる奴でないと難しい」
というか僕の事情も含んでいるかもしれず、あまり下手に巻き込みたくなかった。
今揃えられる人数と言っても、僕とトオル、それにヒロさんくらいなものだが、その組織の連中が店に来ることもあるらしくうかつに手を出せばすぐにでも襲撃をくらいかねない。その上トオルは人脈を使おうにももとが一匹狼。結局僕とトオルしかいないのだ。
僕は頭を抱えた。
午後の授業もそこそこに早退し、駅前のファーストフード店でどうしたらいいか考えていた。
「おい」
言われて振り向くと、由香里だった。
「おどかすなよ」
「ごめんねー。隣いい?」
僕の返事も聞かずに座ってくる。
「というか、お前学校は?」
「ん、タケシ君と同じよ。早退」
なんだかためいきがで出る。スナックで追及を受けたこともあって、彼女にはなんだか見張られているような気分だ。
「佳澄ちゃんとはうまくやってんの?」
「うまくもなにもないが」
「ふーん、つまんない」
ちょっと人をおちょくる話し方をする癖があるのか、僕は少しいらいらした。
「良いこと教えてあげる。君がイケメンレベルを上げると自然に人脈が広がるわよ」
ためいきが出た。なんでこんなに考えが読み取られているのだ。
「レベルなんて、どうやって上げるんだ」
僕はめんどくさくなって投げやりに聞いた。すると彼女はちょっと体を僕の方に向け直し、顔を覗き込んできた。
「男、になればいいのよ」




