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いつか見た景色

作者: チャーリー

前に進めない心の孤独。

切っ掛けさえあれば走り出せるということありませんか?


雨が僕の眠りを邪魔する。

真夜中に大きな雨粒が僕の部屋の窓をノックした。

あと、7分42秒で彼女との記念日になる時間だ。僕は窓を少しだけ開け、雨の話を聞いた。

夏を忘れられない南からの風は少しだけ温かい。

雨はこう言う。

「迎えに行かなくてもいいのかい?」

僕は何て答えたらいいのかわからない。

「とにかく、謝ってみなよ」

「僕は悪くないのに?」

雨は何も言わなかった。雲の間から月が顔を出し始めていた。時間は彼女との記念日になっていた。


翌朝、僕は出かけることにした。彼女と見たあの景色を探しに。

「さぁ、どこまで行こうか?」

ポンコツのソフトトップを外し、少しだけ早い秋の日差しを車内に招きいれた。

「やっぱり海がいいな」

僕はどこまでも透通った空に話しかける。

海までは2時間半だ。アクセルをいっぱいまで開く。


夏はまだいるかな?

僕は海と空の混ざり合う南の遥か彼方を見た。

いつか見た景色は何も変わらない。ただ、日差しだけが少しだけ傾いている。


白い砂浜の上で「夏はあの水平線の少し先まで行ってしまいましたよ」通り過ぎる南風が僕に囁く。

寂しげな南風は進路を東寄りに変え、やがて冷たい北風に代わるだろう。

「もう夏は行ってしまったか」

僕は1,640日の未練と3日目の片思いを空に投げた。


「彼女を迎えに行こう」


あの景色を探しに。






本当は夏のお話でしたが、投稿に当たり

「こいつは変だろう」

と、秋の設定にしました。

たわいもない文章ですが、何かのお役に立てればと思っております。

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