2-2綺麗な幽霊屋敷
★
亜里沙ちゃんは美少女で男子からも人気が高い、ちょっとおませな女子だった。
『亜里沙ねー、最近シュンにめちゃラブなんだよねー』
彼女が皆の前で臆す事なく発表すると、女子はキャアっと盛り上がる。
読書中のシュンちゃんは一瞬何事だと反応したけど、すぐに本に目を戻した。
彼のつれない態度が亜里沙ちゃんのプライドに火をつけたのか、彼女はバレンタインにチョコをあげたり遊びに誘ったりしていたが、シュンちゃんは依然としてなびかない。
だんだんと面白くなくなってきた彼女が次に目を付けたのは私だった。
『沙夜ちゃんってさあ、たまにシュンと一緒にいるじゃん? よく一緒にいられるよね、マジそんけー』
初めて声をかけられた事にポカンとしていると、クスクスと笑っていた亜里沙ちゃんの顔がムッとした表情になった。
『だからあ、なんて言うの? 釣り合わないとか気にしないんだねってこと!』
亜里沙ちゃんは大人っぽい美少女だ。色白でほっそりとしていて、切長の目に小さい鼻と口。顔は頭から既に小さくて首と手足が長い。ショートパンツを履いてた時にはそれはもう小学生ながらにモデルのようだった。
確かにこういう自慢できるパーツを自分でいくつも持っていたら、相手に同じ物を求めるのは道理なのかもしれない。
『確かに亜里沙ちゃんが見た目の面で釣り合いを取ろうと思ったら、シュンちゃんくらいじゃないと難しそうだよね』
少し考えてそう返すと彼女は綺麗に整えられた眉をメコっと寄せた。
『前から思ってたけどさー沙夜ちゃんてちょっと変』
『うん。シュンちゃんにも言われた事あるよ』
『何ソレ。仲いい自慢?』
変と言われる事が仲の良さのパラメーターならそうだろうけど、多分そんな事はないだろう。
謙遜でも鈍感でもなくて、少なくともシュンちゃんは私に恋愛感情を持っていない。それは幼いから、とか好みじゃないから、という訳ではなかったと今でも思う。
これは確信に近かった。




