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追放令嬢の私、規格外錬金術で国家認定“危険個体”にされたけど、公爵様が全力で囲って溺愛してきます  作者: 慈架太子


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第31話 世界が敵でも、隣にいるのはこの人

エピローグ「隣にあるもの」


数日後。


王都は、静けさを取り戻していた。


あの戦いが嘘のように。


だが――


(……全部、変わった)


王宮。


謁見の間。


重厚な空気の中、私は立っている。


隣には――


アルヴェルト。


(……堂々としてるわね)


「リリアーナ・エルフォード」


国王が名を呼ぶ。


「今回の件」


「大きく状況が変わった」


(……でしょうね)


「お前の力は、確かに危険だ」


(……否定しないのね)


「だが同時に」


「必要でもある」


(……)


「よって」


「危険指定は解除する」


(……)


「代わりに」


「公爵家管理下において保護対象とする」


(……結局そこ)


ちらりと隣を見る。


アルヴェルトは、何も言わない。


(……当然ね)


「異論はあるか?」


沈黙。


(……あるけど)


「……ありません」


今は、それでいい。


「……よかろう」


「下がれ」


謁見が終わる。


廊下。


扉が閉まった瞬間。


「……疲れました」


小さく息を吐く。


「当然だ」


アルヴェルトが言う。


「だが」


一歩、近づく。


「終わった」


(……)


「ええ」


小さく頷く。


(……一応ね)


その時。


「……リリアーナ様」


聞き覚えのある声。


振り返る。


ルーク。


(……)


少しだけ、気まずそうに立っている。


「……どうかしましたか?」


「その……」


言葉を探すように。


「すみませんでした」


(……)


「……何がですか?」


「……疑いました」


(……)


「……当然です」


あっさりと言う。


「状況的に、正しい判断でした」


ルークが驚いた顔をする。


「……でも」


「戻ってきてくれて、よかったです」


(……)


「……ありがとうございます」


(……これでいい)


完全には戻らない。


でも。


(それでいい)


その時。


「――あら」


聞き覚えのある声。


振り返る。


エミリア。


(……来たわね)


「随分と、状況が変わったみたいね」


「ええ」


「残念?」


軽く返す。


エミリアが、わずかに笑う。


「いいえ」


「面白いわ」


(……相変わらず)


「でも」


一歩、近づく。


「結局、あなたは守られてるのね」


(……)


「それで満足?」


沈黙。


(……)


「……いいえ」


はっきりと言う。


「守られているだけではありません」


一歩、アルヴェルトの隣へ。


「並んでいます」


(……)


エミリアの目が、わずかに揺れる。


「……そう」


「なら」


「もう何も言うことはないわ」


くるりと背を向ける。


「次は負けないから」


(……宣戦布告ね)


去っていく。


「……面倒な女だ」


アルヴェルトが呟く。


「ええ」


小さく笑う。


屋敷へ戻る。


夕方。


中庭。


(……静かね)


ベンチに座る。


「……リリアーナ」


「はい」


「今後だが」


(……来た)


「王宮との調整が入る」


「はい」


「だが」


一歩、近づく。


「お前の行動は制限しない」


(……)


「分担だ」


(……)


「……ありがとうございます」


沈黙。


(……)


「……アルヴェルト様」


「何だ」


「一つだけ」


「言ってもいいですか?」


「言え」


「今回の件」


少しだけ、間を置く。


「助けられました」


沈黙。


「……当然だ」


(……でも)


「でも」


「それだけじゃ、足りません」


(……)


「……何がだ」


「これからも」


視線を合わせる。


「一緒にやっていきます」


沈黙。


「……ああ」


短い返答。


だが。


その手が、そっと伸びる。


「……」


指が、重なる。


(……)


「……逃げるな」


(……)


「逃げません」


(もう)


(最初から)


そのまま。


自然に。


距離が、ゼロになる。


(……これで)


(いい)


空は、穏やかだった。


だが――


(もう)


(怖くない)


隣に、いるから。




完結

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