表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
追放令嬢の私、規格外錬金術で国家認定“危険個体”にされたけど、公爵様が全力で囲って溺愛してきます  作者: 慈架太子


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

29/31

第29話 二人でしか届かない領域

第29話「重なる領域」


巨大魔導構造体。


王都の一角を埋め尽くす異質な存在。


(……大きい)


圧が、空間そのものを歪めている。


「来るぞ」


アルヴェルトの声。


巨大砲口が、こちらを向く。


(……速い)


「――展開」


光が放たれる。


(直撃はまずい)


「――干渉!」


空間を歪める。


光の軌道を、わずかにずらす。


轟音。


地面が抉れる。


(……ギリギリ)


「……次は当てる」


構造体が、再び魔力を集める。


(……間に合わない)


「リリアーナ!」


「分かってます!」


(ここで止める)


「――侵入」


魔力を集中。


構造体の内部へ干渉を試みる。


(……硬い)


術式が、何重にも重なっている。


(……単独じゃ無理)


「……アルヴェルト様!」


「何だ!」


「外殻を割ってください!」


「時間は!」


「三秒!」


沈黙はない。


「……やる」


その瞬間。


アルヴェルトの気配が変わる。


(……来る)


一歩。


踏み込む。


地面が砕ける。


(……速い)


視界から消える。


次の瞬間。


巨大構造体の外殻に、斬撃。


――轟音。


「っ……!」


だが。


(……浅い)


「足りない!」


「分かってる!」


さらに踏み込む。


(……ここ)


「――干渉!」


外殻の一部を、わずかに弱体化させる。


「今です!」


「――ああ」


斬撃。


今度は、深く。


外殻が、裂ける。


(開いた!)


「三秒だ!」


(……入る)


「――侵入!」


魔力を流し込む。


内部構造。


複雑な術式。


(……見える)


(分解できる)


「……止めます!」


術式を書き換える。


一つ、崩す。


二つ、崩す。


(……間に合う)


その瞬間。


「――対抗展開」


(……!?)


内部から、反発。


(……防御機構)


「っ……!」


弾かれる。


(……足りない)


「リリアーナ!」


(……)


(……一人じゃない)


「……アルヴェルト様!」


「何だ!」


「繋げます!」


「……何を」


「魔力を!」


沈黙は一瞬。


「……来い」


(……やる)


手を伸ばす。


アルヴェルトが、それを掴む。


瞬間。


(……来る)


魔力が、流れ込む。


(……強い)


(でも)


(制御できる)


「――統合」


二人の魔力が、重なる。


(……見える)


すべてが。


術式の流れ。


弱点。


構造。


(……これなら)


「――解体」


内部構造を、一気に書き換える。


防御が崩れる。


「今です!」


「――斬る」


アルヴェルトの一撃。


今までとは違う。


(……重い)


(深い)


一閃。


構造体が、完全に断たれる。


沈黙。


次の瞬間。


――崩壊。


巨大な魔導構造体が、音を立てて崩れていく。


(……やった)


静寂が戻る。


「……」


呼吸が荒い。


(……限界近い)


「……リリアーナ」


「はい」


「無事か」


「なんとか」


(……)


手は、まだ繋がっている。


(……離れてない)


「……今のは」


「危険だ」


(……またそれ)


「でも」


少しだけ、笑う。


「一人じゃ無理でした」


沈黙。


「……ああ」


「俺もだ」


(……)


「……リリアーナ」


「はい」


「もう」


一歩、近づく。


「離れるな」


(……)


「……はい」


今度は、迷わない。


その瞬間。


「……まだ終わっていない」


低い声。


(……?)


振り返る。


崩れたはずの中心部。


そこから――


「……やはり」


黒い外套の男。


特別執行官。


「ここまで来ましたか」


(……本体)


「では」


一歩、前へ。


「最終確認といきましょう」


空気が、変わる。


(……来る)


(これが)


(本当の最後)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ