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京の守護から解放された最強おっさん陰陽師、式神や弟子と共に旅をする。~異世界で【陰陽術】は常識の範囲外~  作者: タジリユウ@6作品書籍化


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第8話 おっさん陰陽師、試験を受ける


「試験内容は俺と戦ってもらい、相応の実力を見せてもらえれば合格だ。むろん魔法の使用も可能だし、あんたは魔物使いのようだから魔物も一緒で構わない。……初めて見る魔物だが、随分と小さいな」


『ふんだ、小さいからっておいらを舐めるな〜!』


「おおっ、本当に喋るとは……。いや、すまない。もちろん舐めているつもりはないぞ。人の言葉を話せる時点で相応の魔物であることはわかるからな」


 正確には魔物ではなく式神なのだが、まあいいか。


「それではこれから試験を始める……が、その前に今からでも試験を辞退する気はないか?」


「むっ、試験をか?」


「ああ、今ならまだ試験料の銀貨5枚は返却する。もちろん生き方は人それぞれだから、あんたが冒険者になろうと思うのは構わないが、冒険者ってのはそこまで華やかな仕事じゃねえぞ。命の危険は他の仕事の比じゃねえし、成功する冒険者なんてほんの一握りだ。それにあんたは俺よりも年上だろ? 確かに魔物は強いのかもしれないが、正直に言ってあんたがそれほど強いとは思えねえ。悪いことは言わねえから、別の仕事に就いた方がいいと思うぞ」


「………………」


 ふむ、今度はちゃんと我のことを心配してくれているようだな。先ほどのような冒険者もいれば、ダンケ殿のようなまともな冒険者もいるようで少し安心した。


「ご忠告感謝する。我は長き務めを終えたばかりで、まだこれからどのように生きるかを決めかねているところでな。正直なところ、冒険者になるのも現状の我に一番適していると思うからで、他に適した仕事があればそちらに移るかもしれぬ。なんなら適性があるのかを少し厳しめに見てもらえたほうがありがたい」


「くくくっ、随分と正直者だな。冒険者を軽んじているわけではなく、本当に何も知らないというわけか。むしろあんたみたいに冒険者にこだわりのないやつの方が冒険者になっても生き残るもんなんだよ」


 一瞬ポカンとした表情を浮かべたと思ったら、ダンケ殿は腹を抱えて笑い出した。


 確かに普通は試験の前にそんなことを言うやつはいないだろう。ダンケ殿が我のことを心配していたようだから本音で答えたのだが、逆に興味を持ったらしい。


「さて、それでは試験を始めよう。俺は剣を使うが、刃は潰してある。とはいえ、当たり所が悪ければ怪我をするから気は抜くなよ」


「了承した。少なくともダンケ殿を倒せればよいのだな」


『やっとかあ~。待ちくたびれちゃったよ』


「おじちゃん、頑張って~!」


 ダンケ殿が剣を抜いて構える。我も懐から複数の霊符を取り出して戦闘に備えた。


 冒険者とやらの力、とくと見せてもらおう!


「令! 令!」


 身体能力強化の霊符を発動する。それと同時に結界の霊符を発動すると、我の周囲に半透明の障壁が現れた。


 我の専門は妖であるが、検非違使たちと連携して京の悪人どもを制圧したことも多く、対人戦にも多少は慣れている。


「むっ、魔法か!」


「我の国では陰陽術と呼ぶのだがな」


 そういえば我のことを魔物使いとやらと思っていたようだが、どちらかと言えばこの世では召喚術師とやらの方が近そうだ。


「スー、抑え目に紅蓮弾(ぐれんだん)!」


『うん!』


「なにっ、火を吐く魔物だと! ふん!」


 スーの口から一尺(30センチメートル)ほどの炎弾5つが吐き出され、ダンケ殿へと向かう。


 だがダンケ殿は驚きの声を上げつつも、そのすべてを剣で打ち落とした。


「……驚いたぜ、そんなに小さくて可愛い外見をしているのに、えらく強い魔物じゃねえか」


『ふ、ふん! 褒められても嬉しくないよ!』


 そう言いながらもスーは少し嬉しそうだな。


「この辺りに生息している魔物相手ならまったく問題なさそうだ。ぶっちゃけ今のだけでも十分合格ラインなんだが、厳しめにということだし、もうちっとだけ続けるぞ」


「……よろしく頼む」


 まだスーの力のほんのわずかも出していないのだがな。ゴブリンとやらもまったく手ごたえはなかったし、京の都に現れる妖よりも魔物の方が遥かに弱いのか。まあ、京の都は歴史があり、そこに住まう者の怨念なども強いこともあって他の地の妖よりも強いという特徴がある。


 まだダンケ殿の力がどれほどのものか測れていないし、こちらも望むところである。


「今度はこちらからゆくぞ!」


 ダンケ殿が一瞬で距離を詰め、剣を振るう。思ったよりもかなり速い動きだ。我も身体能力強化の霊符を発動していなければ、目で追えなかったかもしれぬ。


 キンッ。


「くっ、かてえ!」


 しかし、その斬撃は結界によって阻まれた。刃を潰しているとはいえ、結界には傷ひとつ付いていない。そのあともダンケ殿は結界へ連撃を繰り返すが、結界が割れることはなかった。


 ふむ、この結界で第三級冒険者の攻撃を防げることは十分にわかった。この世の城門や建物などの技術などにはとても驚いたが、戦闘能力でいえば京の妖や他の陰陽師の方が優れているのかもしれない。


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