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京の守護から解放された最強おっさん陰陽師、式神や弟子と共に旅をする。~異世界で【陰陽術】は常識の範囲外~  作者: タジリユウ@6作品書籍化


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第27話 おっさん陰陽師、緊急依頼を受ける


「ガドンとは知り合いでね、冒険者として贔屓はできないけれど個人的に協力できることがあったら言ってくれ。さて、例の緊急依頼だけれど、第三級以上としているが相応の実力があるということで階級は気にしなくていい」


「かたじけない」


「ただタイミングが少し悪くて、今日別の街から要請に応じて第三級相当の聖魔法の使い手が来てくれた。おそらくこれで呪いは解けるはずだよ」


「ほう、結構なことではないか。その者が助かるというのならば、実に喜ばしいことだ」


 誰が呪詛を祓ったのかなど大した問題ではない。緊急依頼と聞いていたが、他の者が祓えるのならばそれでよい。


「……そう言ってくれるとありがたいね。緊急依頼は依頼料が高いこともあって、誰が受けるかでたまに揉めるんだよ。まあ、冒険者たるもの富や名声を求めるものだからそれも仕方のないことなんだけれどね」


「我はそういった夢を見る歳でもないからな。それより、もしもその者が祓うことができなかった場合に備えて、その者の症状と闇魔法とやらについて詳しく教えてほしい」


「ああ、もちろんだよ。ヤコウさんには申し訳ないが、念のため明日の朝にもう一度冒険者ギルドへ来てほしい」


「うむ、承った」


 冒険者の第三級とは一流の証だとダンケ殿が言っていた。その者が呪詛を祓うというのならば大丈夫だとは思うが、それが駄目だった場合にも備えておいたほうが良さそうだ。


 本格的な呪詛であればこちらも相応の準備が必要となることだし、今日の狩りは午前中だけにとどめておき、午後はその準備とレイラの陰陽術の修行にあてるとしよう。






 ◆ ◇ ◆ ◇ ◆


 翌朝、再び冒険者ギルドへと訪れた。


 昨日は近くの森で魔物を狩る依頼をこなしつつ、早めに戻ってきた。今回は早めに戻りたかったこともあり、解体はせずに血抜きだけして残りは冒険者ギルドへ任せた。


 明日には解体してもらった肉や買い取ってもらった報酬を受け取ることができるため、昨日の呪詛が問題なく祓えているようなら明日にでも次の街へ進むつもりである。


「まさかあの者でも呪いを解けないとは……」


「その様子では無理であったのか」


「ああ、その者では手に負えないほど強力な呪いらしい。その者以上の第二級相当の聖魔法の使い手ともなると王都に要請をするしかないのだが、ここまで来てくれるのかもわからないし、時間も足りない……」


 受け付けに案内され、冒険者ギルドマスターの部屋へ案内されるとマーチル殿が机で頭を抱えていた。


 第二級冒険者やそれに相当する実力者となると、この国の中でも数えるほどしかいないと聞いたし、この街まで呼ぶことが難しいのだろう。


 呪いは呪詛と同じで、それを受けた者は解呪しない限り身体を蝕まれて命を落とす。すでにその者が呪いを受けてからしばらく経っているようで、第二級相当の者を連れてくる時間がないのかもしれぬ。


「ヤコウさん、どうか力を貸してほしい。この街の領主であるラグナード様はとても立派なお方なのだ。そのご子息殿をなんとかして助けてやりたい」


「うむ、確実に祓えるとは言えぬが、我も全力を尽くそう」


 昨日のうちに呪詛を祓う準備はできている。我の世の呪詛と同じであればよいのだがな……。




 冒険者ギルドを出てマーチル殿と共に馬車へ乗り、街の中心地にあった大きな屋敷へとやってきた。この付近は同じような屋敷が立ち並んでおり、屋敷の造りもこれまで見てきた建物よりも豪華かつ複雑な造りであった。


 マーチル殿から話を聞いたところ、この街の領主は子爵という位を持っているらしい。おそらく京の都でいうと諸大夫(しょだゆう)(従四位〜正五位)あたりかと思われ、かなりの要職のようだ。


「ああ、マーチル様ですか。そちらが冒険者のヤコウ様ですね……」


 屋敷の中へ案内されると、我らの前にやつれた男が現れた。一瞬この者が呪いを受けた者かとも思ったが、聞いていた話ではもっと幼い者らしいので、この者が領主であろう。


 ……息子がやつれていく様子を見て憔悴しきっているのかもしれぬ。それと昨日第三級冒険者が失敗したこともあって、落胆しているのかもな。我の話はすでに伝えてあるとのことだったが、昨日の冒険者よりも低い第四階級であることもあって、状況を厳しく思っているのかもしれぬ。


「はい、少し変わった冒険者に見えますが、他の街での実績はございますので」


「そうなのですね。……ヤコウ様、どうかお願いします。息子を助けてください」


「全力を尽すと誓う」


 領主殿は貴族であるというのに我へ頭を下げてきた。京の都の貴族はとても高圧的で我ら陰陽師に頭など下げたことはなかったのだが、この世の貴族はそうでないのかもしれぬ。


 なんとかして助けてやりたいものだ。


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