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京の守護から解放された最強おっさん陰陽師、式神や弟子と共に旅をする。~異世界で【陰陽術】は常識の範囲外~  作者: タジリユウ@6作品書籍化


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第23話 おっさん陰陽師、教える


「五行にはそれぞれ相性がある。まずは互いに相手を生み出し、育て、活性化させる関係である相生そうせいだ。例えば水は木を活性化させ、木は火を活性化させる。このように隣の要素を強化する役割がある」


「へえ~」


 地面に木火土金水の5つの要素を書き、それぞれに矢印を書いていく。さすがに我の世の字をレイラが読むことはできなかったので、ひとつずつ説明していく。レイラは生きていく上でこの世の文字の読み書きは多少できるようだが、当然我はできぬため、この世の字をどこかで覚えていかなければならぬな。


「そして反対にそれぞれの要素を御する相剋そうこくという関係も持っている。土は水を御し、水は火を御するといった具合だ」


「あっ! おじちゃんのお札に描いてあるお星様だ!」


『おっ、よく気が付いたね』


「レイラの言う通りだ。これは五芒星といって、それぞれの要素の関係を図にしたもので、五行力という5つの要素の力の象徴として魔除けの役割がある」


 5つの要素に相生と相剋の関係を矢印に記していくと、五芒星とそれを囲う円ができあがる。これは我が普段使用している霊符に書き記されているもので、式神を顕現させる際にも描くものである。


「陰陽術はこの5つの要素である五行力を使う。まずはこの力を感じ取る修行だ。我と同じ姿勢をとるのだ」


「うん」


 両足を組んで座り、右足を左太ももへ、左足を右太ももへのせる。背筋を真っ直ぐにして座る結跏趺坐けっかふざをレイラに教える。


「初めは少し違和感があるかもしれぬが、直に慣れるであろう。両手は膝の上に置き、目を閉じるのだ」


「う、うん」


 レイラの正面に座り、瞑想の仕方を教えていく。


「息を深く吸ってから深く吐く。この際、吸った息を身体中に循環させてから体外へ吐き出すことを意識する。丹田たんでん、へその少し下の部分を身体の中心とし、そこを通って身体中を巡る感覚だ」


「おへその下、身体中を巡る感覚……」


 我と同じ姿勢をとり、目をつむりながら我の言う通りにするレイラ。


「呼吸法に慣れてきたら、頭の中で5つの要素を深く想像するといい。一番身近にある水などは特に想像しやすいであろう。このまま四半刻(30分)ほどこれを続けるぞ」


「はい!」




「……よし、いいだろう。少し地味で退屈かもしれぬが、陰陽術を鍛えるために欠かせぬことなので、これを毎日続けるぞ」


「うん」


 レイラは集中しながら四半刻の座禅を終えた。


 今日は疲れていることだし初めは眠気が襲ってくると思っていたのだが、我が思っていたよりも集中していたな。我の最初の頃は座禅の最中に眠くなってしまったものだ。


『あ、終わったんだね』


 ……スーの方はというと、最初は我とレイラの真似をしていたが、しばらくすると飽きて周囲を飛び回っていたようだ。まあ、スーはじっとしていることが苦手だからな。


「次は霊符と形代だ。今の感覚を持ちながら、この紙に墨で字を書いていく。それぞれに意味があるゆえ、ひとつずつ説明していこう」


「はい」


 マジックバッグから、ビャクが爪で切り出してくれた机代わりの木を取り出す。その前に座り、街で購入してきた紙と墨を目の前に置いた。


 この世でも紙と墨はあり、実際にこれで霊符と形代を作って発動できることは確認してある。ただ、紙の材質は京の都の物のほうが品質は上のように感じられた。筆の方はシカの毛を使った京の物よりも上質であったな。なんの魔物の毛かは分からぬが。


「慣れれば早く書けるようになるが、初めの頃は先ほどのように呼吸を意識しながら一文字ずつそれぞれの文字を意識しながら書いていくといい」


「うん!」


 霊符には五芒星の下に五行力を込めた文字を書いていく。この霊符に五行力を込めることでその文字によって書かれた力を発動させることが可能だ。ただ文字を書き写すだけでなく、一文字一文字の意味を理解していくことが重要である。




「よし、今日はここまでだ。よく頑張ったな」


「えっ、レイラはもっとできるよ?」


「もうだいぶ暗くなってきた。本格的な修行は次の街へ移動してからでよいだろう」


 すでに日が落ちて暗くなってきた。この世には行燈のように暗い中でも明るくできる魔道具はあるが、明日も朝早くから移動をする予定だし、今日はこれくらいでいいだろう。


 レイラは童であるのにとても集中して陰陽術を学んでいたが、瞑想や霊符と形代を書くことはそれほど面白いわけではない。始めは陰陽術に興味を持ってもらうことが大事なのである。弟子を教えていたころが懐かしいものだ。


「それよりも大事なのは今の修行を根気強く長く続けることだ。実際に最初の陰陽術が使えるまで一月ほどかかる者もいる。結果が出るまでしばらく頑張るのだぞ」


「うん!」


 我の世ではこの世のように魔力を測る水晶などはなかったからな。陰陽術の才能があるのか判断するまでには少し時間がかかるので、それまで修行を続けることが重要だ。


「さて、それでは片付けて寝るとしよう――むっ?」


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