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京の守護から解放された最強おっさん陰陽師、式神や弟子と共に旅をする。~異世界で【陰陽術】は常識の範囲外~  作者: タジリユウ@6作品書籍化


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第21話 おっさん陰陽師、野営をする


「よし、今日はここまでにするか」


『はい、我が主』


 次の目的地の街へ進みながらビャクの背に乗って走ること二刻(4時間)ほど、ちょうどよい川辺があったので、今日はここまでとした。


 途中までは道を走っていたのだが、街と街を繋ぐ道は意外と人通りが多く、そこを走っている馬車や冒険者たちがビャクを魔物と間違えて攻撃してくることもあったので、道から少し逸れた場所を走っている。人だけでなく魔物ともすれ違ってきたが、ビャクよりも速い魔物はいなかったので、すべて無視してきた。今は食料を街で多く購入してきたばかりだからな。


「レイラは大丈夫か?」


「うん! ビャクちゃんはとっても速いから気持ちがいいよ!」


『ふふっ、レイラ殿は元気であるな』


 これまで森へ行く時もビャクに乗ってきたわけだが、次の街まで距離があることもあって、今日はそれ以上の速度で走ってきた。それでもレイラはビャクの背の上で喜んでいたし、我らが思っているよりも度胸があるようだ。


「さて、今日はここで野営をするとしよう。まずはこのテントとやらを設置するか」


「うん。レイラも手伝う!」


 我の後腰に携えているマジックバッグから野営をするための道具を取り出す。このテントとやらは天幕のように外界を遮る物だが、天幕よりも丈夫でひとりでも組み立てられるようだ。中心部の金属製の支えは折りたためるようになっているし、この世の技術は随分と進んでいることだ。


 レイラと共に川から少し離れた場所へテントを設置した。設置の仕方は事前に聞いていたが、それほど器用でない我と童であるレイラだけでもできるものだな。


「そういえばレイラのおうちに泊まった時もそのお札を貼ってたね」


「うむ、これは霊符というものだ。霊符には陰陽術の力を蓄えて使うことができる。この霊符は夜に人や魔物などを通さないようにするものだ」


「うわあ~すっごい!」


 テントの周囲の四方の地面に霊符を張り付けておく。これは結界用の霊符で、発動させると結界を発生させることができる。ゲンの玄冥氷牢(げんえんひょうろう)ほど強力な結界ではないが、賊や魔物の侵入を防ぐことくらいはでき、仮に破られたとしてもその際は我やスーが気付ける。


 この世は京の都よりも物騒なようだし、念のために気を付けておいた方がいい。


「この霊符は陰陽術の基本であるから、あとでレイラにも教えるとしよう。だが、飯が先だ」


『お腹空いたよ~』


『私もレイラ殿のご飯が楽しみですね』


 スーもビャクも腹がすいたようだ。本来であれば式神は食事をとる必要はないのだが、先日のレイラの料理をおいしそうに食べていたことだし、できるかぎりは一緒に食べるとしよう。


 今は食料も十分にあるし、ここに来るまでに多くの魔物を見かけた。レイラに聞いたところ食べられる魔物ばかりだったし、この世は肉には困らなそうであるな。




「おお、今日の料理も美味であるな!」


『うん、とってもおいしいよ!』


 レイラが作ってくれた料理は以前にも食べたワイルドボアというイノシシ型の魔物の肉と野菜を炒めた料理とパンだったが、野菜はシャキシャキとした歯ごたえで各々味が濃厚で、肉は野性味あふれる味で一度噛みしめると肉の脂が滴り落ちていく。


 宿や屋台で食べた料理も美味であったが、レイラが作ってくれたこの料理も非常に美味である。


「ええ~と、お肉とお野菜を炒めただけなんだけれどね。それにお塩やコショウがあるおかげだよ!」


『謙遜する必要はないですよ、レイラ殿。これはとてもおいしいし、我ら式神は料理ができないのでありがたいです』


 ビャクの言う通り、まともに料理ができるのはレイラだけなのでとても助かっている。


 ……それにしてもコショウか。ミニカムの街で購入してきたコショウだが、この世では料理の香辛料として使用しているらしい。値段は塩と比べると少し高価だが、それでも一般の者でも余裕で手が届く値段だ。


 京の都ではほんの少量でも屋敷と引き換えにできるほど高価なものであった。そもそもコショウは海の外から持ち込まれるもので、香辛料としてではなく高価な薬として扱われていた。我が床に伏せていた時にも飲んでみたが、効果はなかったがな。


 しかし、料理に使うと刺激的な辛味と風味や香りが特に肉などとよく合う。塩だけで食べるよりもうまいし、他の調味料や香辛料なども京の都より多くの種類があるのはありがたい。食材も美味であるし、なんともすばらしい世であるな。




「また明日も頼むぞ」


『お任せください、我が主』


 晩ご飯を食べたあと、ビャクを還す。ビャクには明日もまた我らを乗せて走ってもらわねばな。

 

 さて、レイラはまだセイと会ったことがない。式神の説明も含めて一度紹介しておくとしよう。


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また、来週の3/23には『住所不定キャンパーはダンジョンでのんびりと暮らしたい』のコミカライズ第2巻が発売されます!


また、こちらの更新中の作品もよろしくお願いしますm(_ _)m

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