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京の守護から解放された最強おっさん陰陽師、式神や弟子と共に旅をする。~異世界で【陰陽術】は常識の範囲外~  作者: タジリユウ@6作品書籍化


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第18話 おっさん陰陽師、報酬を受け取る


「ヤコウ殿、改めて子供たちを助けてくれて感謝する。まずは今回の件についての功績でヤコウ殿の第四級への昇級が決まった」


「ふむ、かたじけない」


「あの賞金首の首領を含め、本来であればたったひとりで宵闇の黒鴉団を壊滅させたとあれば第三級以上の実力があると判断されるのだが、登録してまだ1週間ということと、他の実績が足りていないこともあってすぐに昇級できないのだ。こればかりはこの街の冒険者ギルドの権限が他の街よりもないので申し訳ない……」


 むしろ先日六級に上がったばかりなのにこれほどすぐにふたつも上げてしまっても大丈夫なのかという疑問すらある。


 それに正直なところ、我は冒険者の級位を上げていくことに興味はないからな。


「代わりと言ってはなんだが、報奨金とは別にこのマジックバッグを受け取ってほしい」


「……本当によいのか? これは結構な価値があると記憶しているのだが」


 この世にある魔道具という不思議な道具。このマジックバッグは小さな袋にもかかわらず、それ以上の大きな物を収納することができる不思議な道具だ。とても便利である分、金貨10枚以上はするとても高価な物であった。


 我も旅をする際に欲しいと思っていた道具だが、今の懐具合では購入できないと思っていた品だ。


「ああ。俺や騎士団だけでは子供たちを救えなかったかもしれないし、それに比べたら安いものだ。騎士団と俺個人からの感謝の印だから遠慮なく受け取ってくれ。金に困ったら売ってくれても構わない」


「……そのご厚意、ありがたく頂戴する」


 童を助けたことによって報酬をもらうのは少し気が引けるが、この魔道具とやらがあるととても助かる。ありがたく受け取るとしよう。


「あとこっちは今回の報酬だ。あの首領は賞金首だったから、騎士団からの報奨金も含んでいる」


 そう言いながらガドン殿が差し出してきた袋の中には結構な大金が入っていた。それほど強くなかったが、多少は名のある賞金首であったのか。


「我にはこのマジックバッグだけで十分だ。すまぬが、この金は親のいない童たちのために使ってくれぬか?」


「……本当にいいのかよ?」


「うむ。我のように老い先短い者よりも、未来ある童たちのために使ったほうが有意義であろう」


「いや、あんたもそこまで年をとってはいないけどな。それにしても本当に変わったやつだ。わかった、できる限りの便宜を尽くすと誓おう」


 そういえばこの世では随分と歳をとった者も街中で見かけたな。京の都では50年生きればだいぶ長生きした方なのだが、この世はそうでもないのかもしれぬ。


 攫われた童の中には親がいない者もいた。この街にはレイラのように腹を空かせた妾も多くいる。むろんそのすべてを救うことなどできはしないが、我ができる範囲で力になるとしよう。


「それと宵闇の黒鴉団についてだが、今回の件であんたを狙う可能性がある。個人的にはこの街に残っていてほしいと思っているが、安全性を考えれば別の街へ移動した方が安全かもしれねえな」


「ご忠告感謝する。他の者に迷惑を掛けてしまうかもしれぬし、どちらにせよこの街から移動しようと思っていたところだ」


 宵闇の黒鴉団とやらは随分と大きな組織らしく、今回拘束した者たちはそのほんの一部らしい。以前我に絡んできた冒険者のもうひとりと、他の街にいた仲間はすでに街から逃げたあとだった。


 我はだいぶ目立っていたようだし、今回の件の報復としてこの街へそいつらがやってくるかもしれない。そやつらを返り討ちにすることはできると思うが、この街の者を巻き込む可能性が高いので、どちらにせよ少し離れた街へ移動するつもりだった。


 すでに日は暮れているので、明日にこの街を出るつもりである。


「……すまねえな。それほど役に立つかはわからねえが、俺の名で紹介状を書いておこう。他の町の冒険者ギルドでなにかあったら、これを見せてやってくれ」


「重ね重ね感謝する」


 ガドン殿やダンケ殿にはいろいろと世話になったな。悪党どもの仲間となった冒険者もいたが、やはり人次第であるようだ。




「待たせたな、レイラ」


『お待たせ~』


 スーと共に冒険者ギルドマスターの部屋から出て、下の階にいるレイラと合流する。


「我は明日にでもこの街を出るつもりだ。昼に聞いた時はレイラも一緒に来てくれると言っていたが、先の悪党どもが我を狙ってくる可能性もある。もちろん我は全力でレイラを守るつもりであるが、もしかするとこの街に残る方が安全かもしれぬ。それでも良いのであれば我らと共に来ぬか?」


 今回の件で面倒な連中に狙われるかもしれぬが、我のそばにいる限りは安全だ。少なくとも我らと共に来れば日々の食事に困ることはない。


 もしもこの街に残るというのであれば、これまでの礼として今持っている金の大半は譲るとしよう。


「ヤコウおじちゃんと一緒に行きたい!」


 レイラはそう言いながら我へ抱き着いてきた。そのままレイラの頭を撫でてやる。


「そうか、これからもよろしく頼むぞ」


『よろしくね、レイラちゃん!』


「うん! ……あのね、おじちゃんにひとつだけお願いがあるの」


「なんだ?」


 そういえば昼にこの話をした時にそんなことを言っていた。バルム殿の息子がさらわれてそれどころではなくなってしまったのであったな。


 あの時何を言おうとしていたのだろうか?


「レイラに()()()を教えてください!」


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