ヴァンパイア その1
「あれから、いろんなことがあった。」
合宿で、魔法を失ったガブリエルが、今までの経緯を語り始めた。
俺様が、お前たちに魔法を使えるようにしてやったのに、言葉の。。。言い方の事で俺が避難されるのは納得できない。
お前らのせいで村を追い出されたのだ。
魔法の知識はあって、指導はできても、魔法を発動できなければ、魔法の指導者としてなめられて仕事にならない。
お前らのせいで、苦難の連続でさまよい続けた。
そんな俺も、ミッドシップ神国の教会に行けば、腕だろうが、脚だろうが、心だろうが、失われたものが回復できる噂を耳にした。
ここに到着してみたら、仕組みは簡単だった。
ヴァンパイアになればいい。
それだけで、あらゆるものが回復する。
契約のために、わずかな血のやり取りをして、一日眠るだけ。
全く簡単だ。
ヴァンパイアの盟主、バド様に直接契約してもらえれば、記憶も人格も影響ない。
孫や、ひ孫、バド様から遠くなるほど、人間らしさを
失っていくが、お前は運が良い。
バド様はお前に関心を持っておられる。
子供にしていただけチャンスなんだよ。
何をいいたいんだ、こいつ。
僕がヴァンパイアなんかになるわけないだろ。
それとも、ほんとにタダの近況報告?
「街の外から、極大魔法を使わなかったのは、ドリーを探してるんだろ?」
!
ガブリエルは僕の表情の変化を見逃さなかった。
「合わせてやろうか?」
罠か?
だが、ドリーの居場所も全くわからないのも、事実だ。
乗るか?
「着いてこい!」
僕の返事も聞かずに、ガブリエルは歩き始めた。
僕は思い切って、ついていくことにして。
教会の塔から降り、サドミスト像の前に来た。
そこから、更に奥に見事なステンドグラスがあり、その前の聖人の墓が祭壇がある。
その前にヴァンパイア、国王、司教、サワーシップ聖職者の衣をまとった男、その前に顔を隠すほどのフードを被った少女がいた。
顔は見えないが、あれがドリーか?
「ようこそ、プレストン。これからの話しを始めよう。」
あれが、ヴァンパイアのバドか。
「プレストン。ヴァンパイアと人間、何故共生できないか、わかるか?」
「ヴァンパイアは、人間を狂わせる、ヴァンパイア化する。決して共に生きることはできない」
バドは笑った。
「お前は、そう教わって、そこで思考が止まったんだな。もし全員がヴァンパイア化したらどうなる?ここにいるルミナス・ライトハウスを見てみろ。」
どうやら、僕をヴァンパイア化したいようだ。
聖職者の衣を纏ったルミナスライトハウスは眼を開いた。
瞳は赤く輝き口元には牙があった。
「プレストン、ヴァンパイアはすばらしいぞ!ヴァンパイアの社会には争いがないのだ。
教会で、いくら頑張っても実現d系なかったことが、実現されている。
私はヴァンパイアになったことに満足している。
ヴァンパイア化を抵抗なく、受け入れてもらえば、時間はかかっても、バドさまに頼めば、記憶や知能を失うようなこともない。」
全員がヴァンパイアになる。
争いがなくなる。
何も、悪いことはないような気がする。
でも、今聞いて、今判断を迫るようなやり方をされると、何か後ろ暗いところがあるような気もする。いいのか?
「プレストン・・・」
ドリーはフードを被ったまま声を発した。
ルミナス・ライトハウスはドリーに発言を促した。
「ドリー自分の思いを正直に伝えるのです。」
ドリーが一歩前にでて、フードを上げた。
その眼は赤く輝いていた。




