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ミッドシップ 侵攻3

会話ができるヴァンパイア。

今まで信じていたことが、根底から崩れた。


ヴァンパイアってなんだ?

僕は何を殺してきた?

言葉が通じなければ殺していいのか?


考えると苦しくなることが止まらない。

心が考えることを拒否している。

思考は表面的なところをぐるぐるまわるだけ。

あの時の僕は心が壊れていたに違いない。


普通なら、撤退するくらいの状況なのに、その判断すらできなかった。

僕は放たれた矢のように、なんのコントロール効かず、目的地に進み続けた。




◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

僕は敵との遭遇を避けるために、頻繁に魔法を使いながら進んでいった。


それなのに、何故か、ヴァンパイアと遭遇することがある。

ヴァンパイアを倒しながら、ミッドシップ神国の王都近くまで来たとき、

ヴァンパイアの中に、サワーシップの調査団の制服を着たヴァンパイアがいた。


しかも、ヴァンパイアなのに、光魔法や聖魔性を使った。

何故?ヴァンパイアは、闇に生きる、邪悪な存在なのに。


もしかして、まだ人間の部分が生き残っている?

調査団が全滅したというのが、間違った判断?


今までの戦いで、やってしまったかも、という後悔。

逆に、もしかしたら生存者がいるかも知れないという期待。


僕は、調査団の生き残りを期待した。

ドリーの調査先はミッドシップ王都の教会調査だった。


ドリーは、中央教会の司祭ルミナス・ライトハウスの配下として、ミッドシップ国の教会への調査に戦士、魔法使い、探索者等、分隊レベルの10名ほどで派遣されている。

ミッドシップの教会と交流のあった、ルミナス司祭の班だ。

戦いより、話し合いが期待できる。


きっと、ドリーは生きている。

僕の考えは支配された。


僕は、極大魔法でミッドシップ神国の近くから、魔法を使わずに、王都内に潜入した。

ビクビクしながら、隠れながら、進んだ。


街中を歩いているヴァンパイアから身を隠し、教会に到着した。

教会内に侵入していくと、両手を広げた、美しいサドミストの石像があった。

その時、背後から複数の足音が聞こえた。


急いで物陰に隠れると、声が聞こえてきた。

服装からみると、サワーシップの指揮官が、ミッドシップの国王と話している。

どちらも、どう見てもヴァンパイア化している。


「サワーシップの魔法使いが、王都近くに潜んでいる。どうする?」

「王よ、相手の魔法使いの事はわかっています。

こちらには、やつの幼馴染がおります。これを利用して、活路を開きましょう。」


幼馴染・・・ドリーだ。

ドリーは生きている!

そして、彼らは、僕がまだ、王都に潜入していることに気付いていない。


ドリーはどこだ?


僕は背負えるだけ食料を背負って、教会の尖塔の上に入り込み、高い場所から王都全体を観察することにした。


魔法を発動させれば、バンパイヤを倒すことは簡単だろう。

でも、全てを失うことになる。。。


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