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消えた誘拐犯
混雑するショッピングモールで、ちょっと目を離した隙に5歳の男の子が行方不明になった。単に迷子と片づけられないほど、男の子はまったく見つからなかった。
不審に思ったスタッフと母親は警察に連絡することにした。
警察が監視カメラの映像を確認すると、見知らぬ男に手をひかれて歩く男の子が、見覚えのない車に乗るまでが映っていた。ただちに聞き込みが開始され、驚くほど犯人の情報が集まった。
警察は犯人の住居を特定し、それとなく調べたところ、留守のようであった。
玄関の鍵が開いていたため、隣人の通報を装って侵入し、無事に男の子を保護することができた。
一方、誘拐犯の男は家にはいなかった。車も、靴も、家の鍵も、スマートフォンや飲みかけのペットボトルもそのままに、こつ然と姿を消していた。
警察は誘拐犯の行方を追うため指名手配を行なったが、十何年経とうと、誘拐犯の行方はわからなかったという。




