ゲテモノ料理
「トイレットペーパーが無いぜ。」
「えっこの間買ったばかりじゃなかったか?」
「昴、それは気のせいだ。」
「まじか………じゃあ買いに行かなきゃな。」
とトイレットペーパーを買いにドラッグストアに向かう二人だった。
「あったあった。これが1番良いんだよな。」
「昴、これ面白そうだぜ!」
と和真が持ってきたのはカップ焼きそばのアーモンドチョコレート味だった。
時々和真はこの様な変わった味の食べ物を買うのだ。
「うわっ絶対地雷だろそれ………。」
「分からないぜ、意外と美味いかもしれない。」
「そうか?」
「騙されたと思って買ってみようぜ!」
「絶対騙されたと思うから却下。」
「ちっ面白そうだと思ったのに………。」
不満気の和真を無視して買い物を続けていた。
「これで全部だな。」
「昴結構買うな。」
「思ったよりも買うものたくさんあったわ。」
レジで会計を済ましてドラッグストアを出る。
家に帰ると買った物を棚に整理していると、「昴。」
「なんだ!」
「これ見ろよ!」
と和真が見せてきたのは先程のカップ焼きそばのアーモンドチョコレート味だった。
昴が会計している間にこっそり和真が買っていたのだ。
「お前、いつの間に!」
「お前が会計している間にこっそりと。」
「まったく………。で、ゲームに負けたら罰ゲームでこれを食べるとかか?」
「さすが昴、その通りだぜ。」
「よし、絶対和真を負かす!」
二人はリビングに移動してゲーム機を起動させる。レースゲームで勝負を開始した。
5コースの合計点数が多い方が勝ちというルールだ。
「よし、順調順調。」
「最初だけだぜ!ほらよ。」
「昴、爆弾とかずりぃ!」
「ズルくないぜ!戦略だ!」
と言った具合でレースが進んでいく。
コースの中盤には和真を抜かし1位になる昴。
和真はNPCに攻撃されてコースアウトしてしまい最下位に。
「ああああああああ、なんでだよ!あのタイミングでゴリラ出すなよ馬鹿野郎!」
「このコースは俺の勝ちだな。」
「クソゥ、まだまだだ!昴には勝つ。」
と意気込む和真だが結局第1コースは最下位でゴールするのだった。
第2コースは二人ともスタートダッシュを失敗するが、アイテムを駆使してトップ争いをするのだった。
「昴、このレースはもらったぜ!」
「そんな和真に爆弾のプレゼントだ。」
昴が爆弾を放つと物の見事に和真に当たりコースアウトする。
「ああああああ。やりやがったな昴!」
「へへっこのコースももらい!」
颯爽と走り抜けようとする昴だが、NPCが許さなかった。1位の昴にゴリラを放つのだった。
「うぉぉぉ、ここでゴリラかよ!」
ゴリラによってコース外に投げ飛ばされる。
そして最下位になる昴。
「やーい昴が最下位!」
と煽る和真だったが「和真、爆弾!」と昴に爆弾を放たれてコースアウトする。
「あああ、最下位は免れたと思ったのにぃ!」
第2コースは最下位和真、その次に昴と言う順番だった。
そして第3、第4コースは昴が1位、2位に和真という結果だった。
この時点で和真の負け確定だが一応最後のコースまでやるのだった。
「もうやけくそだ!」
と和真が手当り次第アイテムを取っていき、無差別に攻撃し始めた。
「和真、はやまるな!」
「やだね!くらえっ」
和真の攻撃によって昴はコースアウトする。その後も和真はNPCも吹き飛ばしていく。
「ガハハハハ、この和真様にかかればこんなもんだい!」
「だが和真は罰ゲームである。」
「それを言うなぁぁぁぁぁ。」
結局第5コースは和真が1位だったが合計点数では昴の勝ちだった。
「って事で和真は罰ゲームのカップ焼きそばアーモンドチョコレート味だな。」
「クソゥぅぅぅぅ」
そして昴がカップ焼きそばアーモンドチョコレート味にお湯を注ぎ3分たって湯切りをしソースをかける。
「昴、この普通のソースだけでいいぜ…。」
「却下だっ。元はと言えばお前が面白そうって買った物だからな、責任もって食え!」
「うググッ」
そしてたっぷりとチョコソースをかけてアーモンドをふりかけたら完成。
「和真、ちゃんと食べろよ!」
「わかってるって。」
恐る恐る口に運ぶ和真、「うわっこれはやばい…………うげっ。」と苦い表情をした。
「やっぱり地雷だったか………。」
涙目になりながら昴に「もう面白がって買いませんから許してください。」と何度も言っていたが昴は「完食したら許してやるぜ!」とリタイアを認めなかった。
結局和真は1時間かけて完食したのだった。