ヴォルパーティンガー その35 白オオカミちゃんは仲間になりたそうにこっちを見ているのですよ
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白オオカミちゃんは何をするでもなく、じぃっとこっちを見ているのです。
具体的には、某ゲームでいうところの『仲間になりたそうにこっちを見ている』のですよ。
……うーむ。しかしですねぇ、いくらわたしの白オオカミちゃんに対する好感度が高めで、さらにわたしがケガをさせた負い目があるとはいえ、おいそれと仲間にはできないのです。
種族が違うのが、まずひとつ。
しかも、本来ならわたし達が食べられる側で、あっちが食べる側なのです。
いくら、わたしが強いからといって、眠っている間に隙をつかれたら、ひとたまりもないのですよ。
もうひとつは、わたしがこれ以上、やっかい事を背負いたくないのです。
リルとおんなじ流れになるとすれば。
①この白オオカミちゃんに名前を付ける。
②話を聞いて、絆されて訓練する。
③結局、群れの仲間に入れる。
以上の手順を踏みそうで嫌なのです。
別に白オオカミちゃんに不満はないのですよ?
ただ、わたしはこの群れのリーダーとして、迂闊に仲間を増やしてはいけないと思うのです。
わたしは多少は強くなっているのですけど、わたし一匹で守れる範囲はたかが知れているのですよ。
その狭い範囲を無理やり広げてしまうと、最後には破綻してしまうかもしれないのです。
わたしが責任を持って守れる対象は、今のところ、わたし自身とリルだけ。
それ以上に手を広げても、いざという時に手が届かない恐れがあるのですよ。
訓練を終えて、リルが話しかけてきたのです。
『やっぱり、まだミラお姉ちゃんには敵わないの。
お姉ちゃんは本当に強いのよ!』
フフフン♪
当然なのですよ!
しかし、リルもいい線いってるのです!
これは、ご褒美をあげる日も近いかもしれないのですね!
まあ、今日も残念賞と、最近よく頑張っているで賞、をあげるのですよ。
具体的には、軽いスキンシップと毛繕いしてあげるのです。
さっそく、サリサリと舌で毛繕いしてあげると、目を細めてうっとりするリルなのですよ。
……そして、それを羨ましそうに見つめる、白オオカミちゃん。
そ、そんな目で見つめてもダメなものはダメなのですよ!
『また、あのオオカミさんが来ているの?』
リルも当然、白オオカミちゃんが見ていることに気づいているのです。
ただ、わたしが傷付けた経緯を説明して、おそらく害意はないということは理解しているのです。
完全に気を許してはいないものの、警戒感は薄いのですね。
『ミラお姉ちゃん、あのオオカミさんを群れに入れてあげられないの?』




