ヴォルパーティンガー その33 わたし達の戦いは始まったばかりなのです!(打ち切りエンドじゃないよ)
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素人のつたない作品ですが、楽しんでいただけていたら嬉しいです。
一回もかすりもせず、疲れきって倒れ伏すリル。
涙目を通り越して泣いて悔しがるので、仕方なく残念賞で少しだけ毛繕いしてやるのです。
あくまでも仕方なくですよ?
『これで分かったのですね?
確かにリルは強くなったのです。しかし、その力の使い方がまったく分かっていないのですよ。
まずはそこから訓練していくのです。
リルが自分の力をしっかりと使いこなすことができれば、わたしに攻撃を当てることも夢ではないのです!』
スンスンと泣いていたリルが、顔を上げてこっちを見るのです。
『……分かったの、ミラお姉ちゃん。
戦い方をリルに教えて欲しいの。
もう、お姉ちゃんの足手まといにはなりたくないのよ!』
よく言ったのです!
それでこそ、わたしの妹なのですよ!
その覚悟があれば、きっと過酷な戦闘にあっても生き延びていけるのです!
わたしの特訓はキツいのですが、ついて来るのですよ?
スポ根マンガのコーチよろしく、ガッシとリルの肩を抱きしめ、共に涙目で空を見上げるのです。
わたし達の戦いは始まったばかりなのです!
とまあ、冗談はさておき。
今日のところはリルの現状が確認できただけ良しとして、お風呂にでも入って寝るのとするのです。
というわけで、それからの日課は。
・毎日森の探索をする。
・午後からは拠点に戻ってリルの戦闘訓練をする。
・寝る前にオークの魔石を食べさせて、魔力を増やす。
これの繰り返しなのです。
ヴォーパルバニーの身体能力を十全に使いこなせるようになれば、アルミラージ時代のわたし以上の戦闘能力を身につけることができるはずなのです。
少なくとも、オークジェネラルくらいなら正面から戦っても勝てるようになるのですよ。
キング相手では難しいのですけどね。
あの戦闘センスと土魔法が相手では、リルでは勝てないのです。
おそらく、わたしがヴォーパルバニーだったならすんなり勝っていたと思うのですけど、仮定の話なのです。
あわよくば、わたしと同じく身体超強化とか覚えられたらラッキーなのですが、魔力が低く、魔力操作の練度も未熟なので当分は無理なのですか。
そんな毎日を過ごすうちに、森にも魔物が増えてきたのですよ。
やはりオークの集団がいなくなって、一時的に空白地帯になっていただけなのですね。
一匹みたら二十匹はいるらしいGのつくゴブリンから始まり、オークに、大猪の魔物ビッグボーアや、アナコンダよりでかい大蛇、ジャイアントバイパーなどなど、弱いのから、ランクDくらいの魔物たちが徐々に入り込んできたのです。
そして、それらの魔物はわたし達が、美味しく(性的な比喩でなく食料及び経験値及び魔石的な意味で)いただいたのですよ。
ゴチなのです!




