角うさぎ その8 狼なんか怖く◯い by.石野兎子?
朝〜〜!
スッキリ、さっぱり目覚めたのです!
なんだか体が軽いというか、体調も良くまさに、絶、好、調! なのです!
これはやはりゴブリンさんを倒してレベルが上がっているのか、それとも魔石を吸収して魔力が上がっているのか、どちらなのですかねー?
検証のためにも、次に倒した時は魔石の吸収は1日待ってみた方がいいかもしれないのです。
健康的に空腹を感じているので、早速朝ご飯の草を食べるのです!
フッフッフッ、角うさぎたる者、たとえ食事中でも索敵は怠らないのですよ。
うさぎの目は頭の横に付いているのです。
つまり!
その視野はほぼ360°!
わたしに死角はないのですよ!
さらにさらに、魔力視を併用すれば完璧なのです!
例え足音や気配を消して近寄ろうとしても、このように魔力視にかかれば丸見え! なの、です、よ?
………?
うおあ⁈
やばいやばい、オオカミさんが接近中!
退避〜! 緊急退避〜〜!
うわっ、見つかったのです! 追いかけて来たのですよ!
早く! 早く! 巣穴に逃げなきゃ!
お姉様や妹のように美味しく(性的な比喩でなく食料的に)いただかれてしまうのは嫌なのです!!!!
焦れば焦るほど、魔力循環もできなくなるのです!
身体強化? 的なことができないので、素の身体能力で逃げるしかないのです!
っっっと! 危なっ!
飛びかかって来た狼を、急角度で右に方向転換してかわし、そのまま走る、走る、走る!
巣穴! 巣穴! マイスィートホームはどこどこどこ⁈
あった! 見つけた! 急いで急いで急いで急いで!
〜〜〜〜〜っ! ギリッギリッセ〜〜〜〜〜〜〜〜フッ!!!!!
ハァハァ、ングッ、ハァハァ………し、死ぬかと思ったのです……。
やっぱり、いつでも魔力循環して、身体強化? 的なことが出来るようにならなくては、安心して暮らしてはいけないのですね………。
それはそれとして、魔力循環を身につけ、ゴブリンさんを(奇襲とはいえ)瞬殺した、角うさぎの中の角うさぎ。
いわば、角うさキング! であるこのわたしをこれほど怖がらせるとは、あの狼! 万死に値するのです!
というわけで。
いまだにわたしが逃げ込んだ巣穴の入り口に、鼻先を突っ込んで探している狼野郎の背後をとって、バックアタックなのです!
そろそろと近づいて、魔力突き、からの魔力切り払い!
うおりゃあ、死にさらせ〜!
汚名返上! 屈辱は倍返し! なのです!
ハッハッハッ!
キャインキャイン、じゃないのです!
殺そうとするからには、殺される覚悟を持って挑んで来るのですよ!
美味しく(経験値的に)いただかれたのは、どちらでしたかね〜〜なのです♪




