ヴォルパーティンガー その27 またひとりぼっちになるのは嫌なの!
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m(_ _)m
素人のつたない作品ですが、楽しんでいただけたら幸いです。
オーク肉をどんどん焼いていくと、ガツガツと平らげていくリルなのです。
進化したてでお腹が空いているのですかね。
焼き肉をしながら、さらにリルの能力の検証をするのです。
物騒な称号もあったのですから、確認しないわけにはいかないのですよ。
『ヴォーパルホーン 素早い動きで角を振るうと攻撃範囲とクリティカルヒット率が上昇する。上昇率は素早さと魔力に依存する。』
『首狩り兎 首刈り兎であるヴォーパルバニーの証し。クリティカルヒット率が少し上がる。』
うわお。
まさにヴォーパルバニーの面目躍如なスキルと称号なのですね。
魔力撃や身体強化が、純粋に攻撃の威力の強化だとすれば、ヴォーパルホーンはいわゆる会心の一撃が出る確率が上がるわけなのです。
しかも、攻撃範囲が上昇って、どういうことなのですか?
角が伸びるのですか?
遠心力で?
のびろ如意棒?
わけが分からないのですが、そういう物だと納得するしかないのです。
検証は必要ですけどね。
素早さと魔力依存で上昇率が決まるとか、スピード特化の角うさぎにピッタリのスキルなのです。
魔力はいくらでも鍛えられるのですし。
そして称号なのですが、この世界でもヴォーパルバニーは首を刈るという認識なのですね。
つまるところ、ヴォーパルバニーはクリティカル重視の軽戦士タイプなのです。
素の能力値もだいぶエゲツないのですけどね。
まあ、これだけ強くなればオークやゴブリン程度に遅れはとらないのです。
あとは、リルの心の問題として、自分から攻撃できるかどうかなのですが、それももう心配していないのですよ。
何故なら、リルはわたしのためにオークキングに自分から攻撃したのですから。
おそらく、精神的に一皮むけたと思うのです。
それでも、リルの性格的に、ただ経験値や魔石のために殺すのは抵抗があると思うのです。
しかし、もうリルは、生きるため、食べるため、身を守るために戦うことはできると思うのです。
いわば、本当の意味でひとり立ちできるようになったのですよ。
少し寂しい気もするけど、嬉しさのほうがずっと大きいのです。
よくぞここまで強くなったのです。
お姉ちゃんは嬉しいのですよ。
お肉を食べるリルを暖かく見つめていると、視線に気づいたのか不思議そうに聞いてくるのです。
『どうしたの、ミラお姉ちゃん?』
わたしは優しく答えるのです。
『リルは進化して、とても強くなったのですね。
もう、充分ひとり立ちできるのですよ。』
すると、リルは目を丸くして驚き、愕然として、また涙目で叫ぶのです。
『またひとりぼっちになるのは嫌なの!
リルはミラお姉ちゃんとずっと一緒に居たいのよ!』
誤字指摘、ありがとうございます・・・。m(_ _)m
草刈り兎って。
普通のうさぎやん。
恥ずかしい〜!(;´д`)でも、ありがとうございました!




