ヴォルパーティンガー その25 角うさぎの三分クッキング♪
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つたない作品ですが、楽しんでいただけたら幸いです。
リルの居る、スィートマイホームに無事帰宅したのですよ。
……高度を上げすぎて、一時的に自分の位置を見失ったのは内緒なのです。
まあ、高度を下げつつ超視覚で探せば、巣穴はあっさり見つかったのですけどね。
さて、まだ日は高いのですが、疲れたのでひと休みするのです。
その前に腹ごしらえをするのですよ。
さっそくオークの生ハムを一つ取り出すのです。
血抜きもせず、死後硬直しているのでだいぶ固いのですが、そこは魔力角でサクサク解体するのです。
ヴォルパーティンガーの角では細かい作業がしにくいので、今のわたしの姿はアルミラージに変化しているのです。
うーむ、オークの生ハムは、昨夜一晩、常温で放置されていたので、鮮度はすでに落ちているのです。
アイテムボックスの時間経過の検証には、もう少し時間が必要なのですね。
解体した生ハムを一口。
うん固いし少し生臭さを感じるのです。
我慢できないほどではないのですけど、今のわたしは我慢する必要がないのです。
何故なら、今のわたしには火魔法があるのですから!
角うさぎの三分クッキング〜!
♪チャラチャッチャッチャッチャッチャ……
まず、適当に平らな石の表面を水魔法で洗い、火魔法で石を焼くのです。
次に、いい感じに熱した石の上に、二、三センチに薄切りにした生ハムをのせてと……。
ジュワァー
表面に焼き目が付いたらひっくり返して……。
良し!
オーク肉のステーキ完成なのです!
それではさっそく、いただきます、なのです♪
うんま〜〜いのです!
焼くことで見事に臭みが消えたのです!
これで生肉生活とはおさらばなのですね。
まあ、鮮度によっては、たまには生ハムもいいのですけどね。
一歩だけ、文明的な生活に近づいたのです。
というわけで、どんどん焼いていくのです。
ガブリ。ハムハム、ムシャムシャ。
こうなると次は、ングング、ゴックン。調味料が欲しくなってくるのですよ。
塩、胡椒、ニンニク、あとは香辛料やハーブの類いなのです。
あっ、今なら鑑定すれば探せるのです?
というか、魔力草(仮)とか鑑定すればよかったのです。
よしよし、気付くのは遅くなったのですが、これでさらに魔力強化と文明的な食生活が前進するのですよ!
黙々と焼いて食べて、焼いて食べてを繰り返し、さすがに満足して食休みしていると、巣穴からリルが出てきたのです。
思ったより目覚めるのが早かったのですね。
『ミラお姉ちゃん? 美味しそうな匂いがするの。』
……焼き肉の匂いに釣られたのですか。




