ヴォルパーティンガー その16 血の池地獄(3個目)
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つたない作品ですが、これからも楽しんでいただけたら幸いです。
うへぇ。
現場に近づいていくと、あまりの血臭に我ながら辟易してくるのです。
まあ、この血の池地獄(三個目)を作ったのはわたしなのですが。
狼以外にも、野犬や鷲っぽい猛禽類やカラスなんかもいるのです。
こうして食べられて土に還っていくのですね。
っと、ぼんやり考えてる場合じゃないのですよ。
わたしの生ハムと魔石を確保しなくては!
気配を消して、さらに近づくのです。
うーん、進化した今のわたしなら、集まっている連中を蹴散らすのは簡単なことなのです。
ですが、今さら弱い魔物や動物たちを殺すのも、なんか違うのですよね。
適当に脅かして、追い散らせないですかね?
動物なら火は苦手なはずなのです。
火魔法で軽く爆発でも起こしてやれば、ビックリして逃げるのでは?
と思ったら、わたしは火魔法が使えなかったのですね。
でもスキルは無いのですが、イメージして使えるようにならないのですか?
魔法は想像力なのです。
ヴォルパーティンガーが火魔法が使えない、とかいう設定なら話は別ですが、そうでなければいけると思うのです。
というわけで、火魔法に挑戦するのです!
想像するのです。
火は燃焼。化学反応なのです。
可燃物が燃えることで熱と光を出す。
火傷はしたくないので、少し離れた所にイメージして、魔力を注ぐのです。
炎よ、燃え上がれ!
次の瞬間、イメージした場所にたき火ほどの火が燃え上がるのです!
よし! 成功したのです!
さすが、わたし!
さすわた!
鑑定してみても、スキルが増えているのです。
フフフン♪
やっぱり天才なのですね。わたし。
たまたまヴォルパーティンガーがめっさ魔法得意だっただけ、という可能性もなくは無いのですが。
でもでも、わたしに人間の知識と想像力があればこそ、簡単に火魔法を習得できたのですから。
普通の魔物がたとえ火を見ても、イメージするのは難しいのです。
つまりは、さすわた、なのです。
それでは、改めて火魔法でビックリ作戦、発動なのです!
生ハムたちの中心付近の上空に爆発をイメージするのです。
爆発的な燃焼。
MPは奮発して50ポイントくらい注ぎこむのです。
充分入れたら起爆!
ドガーーン!!!!!!
………………………
……………
……。
……………ビ、ビックリしたーーーーーー!!!
思った以上にデカい爆発が起きてしまったのです!
爆発だけでも10メートルくらいの大きさで、爆風でいくつか生ハムが吹っ飛ばされたのですよ。
当然、お食事中だった方々も一緒に。
……なんか、ごめんなのです。
ちょっと脅かすつもりが、即死させてしまったのですよ。
直接当たらなかった連中は、みな逃げ出しているので、ある意味、成功しているといえない事もないのですけど。
……爆発魔法は、しばらく封印するのです。
使った本人がビックリして、耳がキーンってなる魔法は使ってはいけないのです!




