ヴォルパーティンガー その13 『ヴォーパルバニーに進化するのです。』
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さて、腹ごしらえも済んだリルを連れて、巣穴に戻るのです。
今はアルミラージの姿なのですよ。
塒までやって来ると、リルに寝る体勢を取らせて告げるのです。
『では進化するのです。
頭の中で、ヴォーパルバニーに進化する、とはっきりと考えるのです。』
コクリと頷くリルなのですが………。
しばらくしてもキョトンとしたままなのです。
『? ちゃんと考えたのですか?』
『うん、おねいちゃん。かんがえたのよ?』
同じ方向に小首を傾げて向かい合うわたしたち。……なんだか和むのですね……じゃなくて!
あれ〜? 眠くならないのですかね?
おかしいのです。
わたしの時はすぐに進化が始まって眠くなったのですが。
他に何か条件があるのですか?
リルを改めて鑑定して、ステータスを一から確認すると、忘れていたのですが、わたしとリルの違いがあったのです。
それは、リルがわたしの従魔だということなのですよ。
従魔は主人に従うのです。
だから、わたしが命じなければいけないのでは? と思うのです。
まずは試してみるのです。
それで変わらなければ、また考えればいいのですよ。
では改めて。
『リル、あなたはわたしに名付けられたので、わたしの従魔、部下のような扱いになっているのです。
わたしが命じなければ進化できないのかもしれないのですよ。
なので、試してみるのです。いいですか?』
『わかったの、ミラおねいちゃん。おねがいしますなの。』
その返事を聞いたわたしは、名付けた時と同じくリルの額に触れて宣言するのです。
『リル、あなたはヴォーパルバニーに進化するのです。』
『はいなの!』
返事をするとすぐに眠そうにするリルなのです。
『……おねいちゃん……なんだかねむいの………。』
『それは進化の眠りなのです。
安心して眠るといいのですよ。
おやすみなさい、リル。』
『……おやすみなの、おねいちゃん……。』
いい夢を見るのですよ、リル。
次に起きる時には、まったく新しい自分に出会えるのです。
楽しみにしているのですよ?
リルが進化の眠りについている間に、わたしにはやることがあるのです。
自分の能力の検証と、殺戮したオークたちの解体処理なのです。
結局、50匹以上殺したのですから。
魔石を取り出すだけでもひと苦労なのです。
あとは、時空魔法でアイテムボックスやインベントリ的な事が出来るといいのですが、そこまで期待できないのですかね?




