ヴォルパーティンガー その12 マッパでモフモフ
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m(_ _)m
素人の趣味で始めたことなので、評価とかは気にしないつもりでしたが、一回見てしまうと四六時中気になってしまうものなのですね。
つたない作品ですが、楽しんでいただけたら幸いなのです。
おっと、ミラお姉ちゃんの口調がうつってしまったのですね。
進化先が決定したとはいえ、まずは腹ごしらえなのです。
巣穴の外に出て草を食べさせるのです。
ついでに今のわたしの真の姿を見せておくのですよ。
真の姿って……。わたしは二段階変化の魔王ですか。『ミラはしんのすがたをあわらした! コマンド?』的な。
『リル、こっちを見るのです。
今から、わたしが進化したヴォルパーティンガーの本当の姿を見せるのです。
驚くと思うのですが、怖がらなくても良いのですよ。』
食べる手を(口を)止めて、こっちを向くリルなのです。
それを確認したわたしは、変化を解くのです。
すると、いつもと同じく体が金色に光り、鹿の角、狼の牙と尻尾、獅子の腕に鷲の翼を持つヴォルパーティンガーの姿に戻るのです。ちなみに毛色は金色のままなのです……。
……相変わらず訳の分からない生き物なのですよね。
ヴォルパーティンガーなんて聞いたこともないのですが、この世界には確かに存在しているのだからしょうがないのです。
ブルッと体を震わせてから、伸びをするように翼を広げてみると、差し渡し1.5メートルくらい? もう少しあるのですか?
鷲よりはうさぎの方が重いのですかね? 種類にもよるのですけど、これは翼だけでなく魔力にも依存して飛んでいる気がするのですね。
自分の思考にはまっていると、リルが呆然とこっちを見ているのに気づいたのです。
『リル? どうかしたのですか?』
声をかけると、ハッとしてこっちに来るのです。
……うわ〜、また目ぇキッラキラなのですよ。
『すごい! すごいのよ、ミラおねいちゃん!
はねなの⁈ つのうさぎなのにはねがはえてるの!
あとあと、つのもカッコイイの! にほんもはえてるの! それにきのえだみたいなの!』
勢いよく捲し立てられるのです。
最後の感想だけちょっと微妙なのですね。
まあリルは鹿など見たことないから、仕方ないのですけど。
『ありがとう。
変化すれば、角うさぎにもアルミラージにも、人間にもゴブリンにもなれるのですよ。』
と言って、角うさぎ、アルミラージ、人間の姿に変化していくのですよ。
ゴブリンの姿にはなりたくなかったので割愛するのです。
最後の人間の姿でリルに近づき、しゃがんで抱き上げるのです。
もちろん真っ裸なのですけどね。
リルは、目を丸くして大人しく抱き上げられるのですが。
わたしはその感触に感動しているのですよ!
昨日、リルを巣穴に入れる時は緊急だったから気がつかなかったのですが、人間の素肌にうさぎのモフモフを直接あてるとめっちゃ気持ちいいのです!
こ、これはやばいのです。中毒になるのですよ!
全身を撫でまわし、頬ずりしてから抱きしめるのです。
ふわぁ〜!
まったくなんなのですか! この可愛いらしい生き物は!
けしからんのですよ!
『お、おねいちゃん?
くすぐったいの。ちょっとくるしいのよ?』
リルの声に、我にかえるのです。
危なかったのです。帰ってこれなくなる所だったのですよ。
またリルに助けられたのですね。
ありがとうなのです。
と言っても、何を感謝されたか分からず不思議顔のリルなのでした。
やっとモフモフできました。




