ヴォルパーティンガー その10 『みらおねいぢゃ〜ん!』
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つたない作品ですが、これからも楽しんでいただけたら幸いです。
ブワッと目の幅涙を溢れさせて、感極まるリルなのです。
『お、おねいちゃん……! リルは……リルは……!
あぁ〜〜〜ん! みらおねいぢゃ〜ん!』
もともと密着していたけど、さらに零距離から体当たりをかましてくる、リルなのです。
フン! Fランクの攻撃など効かぬわ!
じゃなくて、しっかり受け止めて、号泣するリルをサリサリと毛繕いしてやるのです。
うんうん、リルはよく頑張ったのです。
リルが来てくれなかったら、あのまま諦めて殺されていたのですから。
お前は命の恩人、いや恩兎なのですよ、リル。
泣き続けるリルを、よしよしと慰めつつも鑑定するのです。
リルは弱いながらも、オークキングにしっかり攻撃を当てていたのです。
角も刺さっていたし、有効打を与えていたなら経験値もしっかり入っているのでは? と思ったら案の定。
ホーンラビット(従魔) lv.MAX(進化可能) ♀
名前 リル
ランク F
HP 122
MP 79
STR 68
VIT 59
AGI 102
MGI 83
スキル
逃走 主従念話 魔力撃 魔力感知 魔力操作 気配感知 身体強化 隠密
称号
ミラの従魔 ミラの妹 被保護者 可愛い妹分 勇敢なる者
おお! レベルが一気にマックスになっているのです。
しかも進化も出来るとは。
これでリルの生存率がまた上がるというものなのです!
スキルも順調に身につけているのですね。よしよし。
称号の勇敢なる者は、3ランク以上格上の敵に立ち向かった証だそうで、精神耐性と格上相手に攻撃の威力が少し上がる、らしいのです。
まあ貰えるものは貰っとけ、なのですよ。
そして、進化先なのですが。
『アルミラージ ランクD
ヴォーパルバニー ランクC』
なんですと⁈
わたしのアルミラージさんを越えて、ランクCに進化可能ですとー!
くっ、悔しくなんてないんですからねっ……!
フン、まあわたしが名付けたおかげで、基本の種族がワンランク上になっているのですから、当然といえば当然なのですけどね!
さて、進化出来るのであれば、すぐにでもするべきなのです。
どう状況が変わるか分からないのですから。
『リル? そろそろ泣き止むのです。
今はまだいいですが、あなたはこのわたしの妹なのですから。いつまでも泣き虫のままではいけないのですよ。』
声をかけると顔を上げて、わたしを見るのです。涙目で。
『うん、わかったの、ミラおねいちゃん。
ごめんなさいなの。』
『リル、あなたに大事な話があるのです。
落ち着いてよく聞くのですよ。』




