ヴォルパーティンガー その8 だって角うさぎですし。おすし。
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つたない作品ですが、楽しんでいただけたら幸いです。
月神に捧げられし者は、言ってみればお供えなのです。
日本的にいえば仏壇にお供えして、そのあと家族でわけて食べるみたいな。
贄といっても殺して生贄にするわけではなく、存在丸ごと神様に捧げて、いったんは神様のものになったからこそ、少しだけど神性を帯びるのだと思うのですよ。
ところで神性ってなんですかね?
『神性 神族やその眷属が帯びている神気や気配のこと。光属性以上に瘴気などの不浄なものを浄化する作用がある。一定以上帯びると眷属に、限界以上に大量に蓄えると神族に至ることも。』
うわお。
つまり、わたしは天使や神様予備軍ってことなのですか?
すごいのです! 最弱の角うさぎから神様の御使いになど、大出世なのですよ!
うさぎだから、いわば神獣なのです?
いやいや、待て待て?
なれると決まったわけではないのですが、神様の眷属がブラックな労働環境ってこともあり得るのですよ。
御使いだけに、使い倒されたりしたら目も当てられないのです。
就職先は慎重に決めるべきなのです。
……今、頭の中に「そんなことないよ〜」とうっすら聞こえた気がするのですけど、幻聴ですかね……。
というか、人の頭の中にまでいちいちツッコマなくてもいいのですよ、ルーナ様。
暇なのですか?
また「相変わらず扱いがひどいな〜」なんて聞こえたような……。
き、気にしないのです!
よくよく考えてみれば、神様が見守ってくださったからこそ、タイミングよく助けてもらえたとも言えるのです。
だから、のぞきとか、プライバシー侵害とか思ってはいけないのです!
それに、どうせ超越者である神様なんだから、きっと並列思考(神)とか、思考加速(無限)とか持っているのですよ。
だから、神様のお仕事をしながら、わたしの思考を覗くなど朝飯前なのですよ、たぶん。
無限の思考力とか、どこのラプラスなのですか。
未来予測もはかどるのですね。
月神の加護は、普通にありがたいのですね。
回復魔法の威力増とか非常に助かるのですよ。
状態異常耐性や即死耐性も嬉しいのです。
まだそういう攻撃をしてくる敵には会っていないのですけど、耐性が存在する以上、その攻撃もあるのですよね。
生き残るためには、備えはありすぎるということはないのです。
転ばぬ先の杖なのですよ。
そして……そして、その、月神のこ、婚約者なのですが。
まさか本当に自分が、婚約者なんてものになるとは思ってもいなかったのですよ。
だって角うさぎですし。
流行りの婚約破棄とか、されないように気を付けるのです?
いやいや、されても文句は言えないのですね。
角うさぎですし。おすし。
「そんなことしないよ〜」とか聞こえた気がするのですけど、気にしないのです。
寿命が大幅に伸びるとか、け、けけ、結婚したら寿命が無くなるとか、なかなかにすごいことか書いてあるのです。
さすがは神様の婚約者なのです。
実際の所、このくらいでなくては神様のパートナーは務まらないと思うのですよ。
ただし、普通の人間の精神で、永遠の命に耐えられるかは、別の問題だと思うのです。
というか、わたしも耐えられる自信はないのです。
最初はいいと思うのですけど、長くなれば心を守るために長期間寝て過ごすとか、あるいは眷属になる段階で精神構造が変化するのか、なってみないと分からないのですけどね。




