ヴォルパーティンガー その7 大変失礼したのです!
お次は称号なのです。
ツッコミ待ちは最後にとっておくとして。
魔物の殺戮者や、オークの王を討ちし者は分かりやすいのです。魔物全般とオークに対して攻撃威力増と威圧効果なのです。
『マジックマスター 3属性以上の魔法スキルを持つ者。魔法威力が少し上がる。』
『賢者 光、闇属性の魔法スキルを持つ者。魔法威力、構築速度が上がる。』
魔法関連の称号は有用なのですね。
どこかの『姉御肌』とは違うのです。
まあ貰えるボーナスは全部貰っておくのです。
わたしの魔力からすれば過剰な威力かもしれないのですけどね。
『リルの姉 リルのおねいちゃん。普段は厳しくあたるけど、本当はとても大事に思っている。いわゆるツンデレ。』
うがあ!!
うるさいやい! 誰がツンデレか!!
リルを大事に思ってなんかっ!
……思ってなんか……!
………………。
思ってなんか、いるのですけど!
悪かったですね! ツンデレでっ!!
はあ〜、今さら取り繕っても遅いのですよ。
リルのことが大切で命がけで助けて、わたしも助けられたのですからね。
それにしても、一体誰が称号を決めているのですかね?
こんなピンポイントな称号、わたし以外に取りようもないのですよ。
……なんか、どこかの月の神様とかじゃないといいのですが。
さて、触れたくはないけど恩もあるし、最終的にはわたし自身を捧げなくてはならないのですから、しっかりと確認するのです!
『月神に捧げられし者 月神ルーナラーナに贄として捧げられた者。僅かながら神性を帯びる。』
『月神の加護 生と死、復活を司る月神の加護を得た者。回復魔法の威力、即死、復活魔法の成功率が上がる。また、即死耐性、状態異常耐性を得る。』
『月神の婚約者 月神ルーナラーナと婚姻の約束を交わした者。神性を帯び、寿命が大幅に伸びる。婚姻が成立すると寿命が無くなる。愛してるよ、ミラちゃん!』
やっぱりお前かい!!!!
ぅおっと! 大変失礼したのです!
気安く話してもらえているとはいえ、神の一柱をお前呼ばわりはないのです。
申し訳ないのです。ごめんなさい。
ハァーーー。
あのお方はノリがいいというか、軽いというか、あんまり神様らしくないのですよ。
本来なら、角うさぎ風情が名前呼びどころか、こ、婚約者など烏滸がましいにもほどがあるのですが。
神として司る事に対して、軽すぎないですか?
……ひょっとして、あまりにも重いものを司っているからこそ、敢えて軽く振る舞っているのですかね。




