修行 その十四 神子 失礼しちゃうのよ?
いつも、つたない作品をお読みくださいまして、ありがとうございます。
m(_ _)m
今日は、「わたしの心はおじさんである」の書籍と漫画版の三巻が届く予定なので執筆はお休みです。
カサイサンの次回作にご期待ください。
これからも楽しんでいただけると嬉しいです。
たしか、お肉にして食べるには血抜きをして、かいたいしないといけないのよね?
えーっと、いのししさんの首のところの太いけっかんを切ってと。
それから土魔法で坂を作って、あとあと血でびしょびしょにならないよーに穴も掘って、準備完了!
「お兄ちゃんたち! 血がぬけたら、かわとかないぞうとか取ってね?」
メルルがいのししさんをやっつけてから、二人ともぼうっとしてたんだけどね? 急に大きな声で言ってきたの。
「アホか! こんなバカデカい猪の解体なんぞできるわけねえだろ! オレたちができるのはせいぜい鳥とかうさぎぐらいだっつーの!」
「はぁ……オレたちは力もないし、ちっこいナイフしか持ってないんだよ。こいつを解体すんなら、大人の男が4、5人はいるんじゃねえか?」
そうなの? みんなで頑張ればできそうな気もするんだけどなあ……。
うーんと、武器ならメルルが貸してあげてもいいけど、大人の人は近くに居ないからなぁ。リルお姉ちゃんとランお姉ちゃんを呼ぼうかな?
でも、せっかく子供だけでここまでやったんだから、最後までメルルたちだけでやりたいなぁ……。どうしよっかな?
そうだ! いのししさんはメルルのアイテムボックスに入れておいて、解体はあとでやってもらえばいいの! 孤児院のみんなが食べきれないくらい、たくさんお肉があるんだから。きっとみんな喜んでくれるの!
えへへ、今から楽しみ!
「わかったの。それじゃあメルルがもって帰るから、戻ってからかいたいしてもらお?」
「持って帰るったって、一体どうやって……。待てよ? まさか、おまえ収納魔法まで持ってんじゃねえだろな?」
「……オレはもう、こいつのやることに驚くのはやめた。持って帰れるってんなら、できるんだろうよ」
なんだか、呆れてるっぽい? ため息まじりで言われてるんだけど、まるでメルルがひじょーしきみたいに言うんだもの。失礼しちゃうのよ?
メルルはランお姉ちゃんや智神様にお勉強を教えてもらったんだからね? お兄ちゃんたちよりも、ずうっと物知りなんだから!
ちょっぴりほっぺをふくらまして、怒ってますアピール? をしていると、お兄ちゃんたちは謝ってくれたの。
「なんだか分からんが……スマンかった、チビ助」
「……今まで疑ってて悪かった。たしかにおまえさんは神様の子供なんだな。人間の常識が通じないところなんか、まさにそうだ」
疑ってたの? まあ、信じてくれたなら別にいっか。
それじゃあ、そろそろ血抜きも終わったし、アイテムボックスにしまって帰りましょ、っと。
うん? こっちに近づいてくる気配があるの。血の匂いに誘われてきたのかな?
……二足歩行で……体は小さくて、臭い匂いがするからゴブリンかなぁ。
ゴブリンなら、お兄ちゃんたちのレベルアップに使えるし、少し待ってみてもいいけど……。
な、なんだろう?
Gランクの魔物であるゴブリンなんて、メルルの敵じゃないのに……。
なんで……?
なんで、メルルの足がふるえてるの?




