修行 その十三 神子 大勝利なの!
いつも、つたない作品をお読みくださいまして、ありがとうございます。
m(_ _)m
あと、いつも誤字報告もありがとうございます。
誤字ってなんでなくならないんでしょうね?(^^;
投稿する前には何度も見直してるはずなんですけどねえ。
自分も他の方の作品を読んで見つけた時は、なるべく誤字報告するようにはしています。長い文だと読み進めるうちに「あれ、どこだったっけ?」となる場合も多いですが。
これからも楽しんでいただけると嬉しいです。
「うわあぁぁー!?」「やべぇ! 死ぬ! 死ぬ! マジで! マジで!」
お兄ちゃんたちを引き連れて森の中にやってきたの。
それで超感覚でさくてきして、いのししさんのところまで来たんだけど……。
「まっすぐにげないで、よこによけないとあぶないよ〜?」
「てめえコラ、チビ助! 早くなんとかしてくれぇ!?」
おっきないのししの魔物、ビッグボーアに追いかけられて悲鳴を上げるお兄ちゃんたち。いのししに見つかったのはお兄ちゃんたちが小枝をふんで音をだしちゃったからなのにね?
ちゃんと気配を消して近づかないとダメじゃない、もう!
それに、そんなにあわてなくても、いのししだからすぐには曲がれないのにね? ちゃんと見てれば、避けるのは簡単なのになぁ……。
まあ、背中までの高さが大人の人間くらい大きいイノシシに追いかけられたら怖いのは仕方ないかな。
牙も太くて長いし。体重も大人の人間十人分よりも重そうだし。
あっ、お兄ちゃんたちが横に跳んで避けた! えらいえらい!
それじゃあ、メルルがやっつけてあげるから、感謝してくれてもいいのよ?
光魔法で灯りを浮かべて、メルルのまわりだけ明るくするの。急に明るくなって驚いたいのししさんだけど、メルルを見てまたこうふんしてるみたい。
鼻息もあらく、足で地面をひっかいてるし。
「……魔法の光、か?」「ゼィ……ハァ……お、おい、チビ助。大丈夫なのかよ」
ウフフ。たしかに横から見れば、体の小さな子供が大人十人分もあるおっきないのししに勝てるなんて思えないよね。
でも、メルルはミラママとルーナパパの娘なんだから!
Sランクすら超えた亜神のリルお姉ちゃんたちとおんなじくら強いメルルに、Dランクのいのししが勝てるわけないの!
突撃してくるいのししの前の地面に魔力を流して〜……ママ直伝のアースウォール!
厚さも高さも二メートルくらいの土の壁が……魔力をたっぷりこめたからもう岩より硬いのよね。
じゃあ、ストーンウォール? が、とつぜんいのししの前に地面から盛り上がると。
ドシン! と大きな音をたてていのししが石壁にぶつかったの!
壁の向こうだけど、神眼で見ると目を回してフラフラしてるみたい。
今がチャンス!
アイテムボックスから、じいじからもらった短刀を取り出して魔力を流してと。すると切先から瑠璃色の光が伸びて一メートルくらいの光る刀身を形作るの。
これこそ、三歳のお誕生日プレゼントにもらった神剣、神龍鱗の短刀!
『神龍鱗の短刀 ランクー 龍神の鱗を材料に鍛治神が腕を振るった瑠璃色の短刀。不壊。祖父である龍神が孫のために自らの鱗を剥がし、神気をこめた守り刀。魔力や神気を流せば流すほど鋭利になり、任意で光の刀身を伸ばすことができる。その長さは流した魔力量に依存するが理論上、上限がない』
えへへへ、メルルだけのために作ってもらった守り刀なのよ? いいでしょー!
それからピョーンと石壁を飛び越えて、いのししさんの頭に光の剣を差し込むと、ビクン! としてからゆっくり横倒しになったの。
もちろん鑑定しても、ちゃんと死んでるし。
ごめんね、いのししさん。お兄ちゃんやメルルたちのごはんになってね。なむー。
うん、お兄ちゃんたちも無事だし、地上での初戦闘は大勝利なの! ブイ!




