修行 その十一 神子 メルルは強いんだから! えっへん!
いつも、つたない作品をお読みくださいまして、ありがとうございます。
ヾ(๑╹◡╹)ノ"
改装がやっと終わった……。前の区画の目の前に移転したんですが、お店が狭くなりました。なのに、前と同じく一律でめちゃめちゃ在庫をぶっ込んでくるのは本っ当にやめて欲しいです。
もう置き場なんて無いんですよ!……私事で失礼いたしました。
これからも楽しんでいただけると嬉しいです。
んもう!
お兄ちゃんたちは足がおそいなぁ!
まあ、ふつうの人の子だからしょうがないのかなぁ。立ちどまって、さいそくするの。
「はやくはやく〜」
うふふ、必死なかおで追いかけてくるのを見て思わず笑っちゃった。なんかかわいい。
孤児なのに人がいいのよね。メルルが着いてきたことに驚きはしても、疑ったりはしなかったし。
三才の子どもが通りすがりに外が見えるほど、窓は低いところにはないのにね。
満月とはいえ、夜の闇の中で二人が出ていくところが見えたことや、メルルが一人で追いかけてこれたことも不思議に思わないのかなぁ?
きっとビックリしちゃって気がつかないのね。
もちろん、メルルはよい子だから夜中にかってに出てきたりはしないのよ?
ちゃんと、リルお姉ちゃんとランお姉ちゃんに相談したし、今も少し離れたところで気配を消して着いてきてくれてるんだから!
ランお姉ちゃんは少ししぶったけど、ママから「できるだけメルルのしたいようにさせて欲しいのです」って言われてたから、最後には許してくれたの。
今、地上で亜神であるお姉ちゃんたちより強い魔物なんていないから危険はないし。
それにメルルだって、本気を出せばリルお姉ちゃんたちに負けないくらい強いんだから! えっへん!
あらら、お兄ちゃんたちが疲れてへばっちゃったみたい。
しょうがないなぁ。立ち止まって、息が整うまで待ってあげる。やさしいメルルに感謝するのよ?
あっ、そうだ。今のうちにどれが食べたいか聞いておこうっと。
「ねえ、おにいちゃんたちは、いのししとおーくとへびと、どれがたべたい?」
ひざに手をついて息をととのえてたお兄ちゃんたちがギョッとして、メルルを見たの。
……頭の中ならむずかしいことだって考えられるし、へーれつ思考や思考かそくでたくさんのことを一度に考えることだってできるんだけど……。
どうしても、口でしゃべる時は上手にできないのよね。よくかんじゃうし。てへへ。
早く大きくなりたいなぁ。それか、変化をもっと上手にできるようになって、大人に変身できるようになれたらいいのに。
ママはかんてーした人や魔物に変化できるけれど、メルルはまだ角うさぎにしか変化できないからなぁ……。
角うさぎになるのはとっても楽しいけどね?
なんだかすごくしっくりくるっていうか……角うさぎになって走り回るのもいいのよね。四本の足で走れば、玉兎のお姉ちゃんたちにだって捕まえられないんだから! えっへん!
「おい……おま、お前なに考えてんだ……! ゼェゼェ……ゴブリンだってヤベェのに……猪やオークなんて……勝てるわけねえだろ……!」
うーん。たしかにお兄ちゃんたちだけならゴブリンに会っても命がけだよねえ。それと、やっぱり罠猟の目当ては角うさぎさんかあ。
ごめんね、お兄ちゃんたち。全部の角うさぎさんを助けられるわけじゃないけど、目の前で殺されるのはさすがに見過ごせないの。
メルルもママも角うさぎだからね!
メルルは頭の中では普通にしゃべれるということにしました。全部ひらがなの文は書く方も読む方もツラいので。^^;
一応、国語の授業では難しい言葉や敬語も読めるし書けることはすでに出ています。思考加速や並列思考も使った智神様はじめとする英才教育の賜物ですね。
だから情緒はともかく、知識や思考能力はすでに三歳児ではないわけですね。




