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【書籍化進行中!】角うさぎなのですよ! 〜最弱魔物から神獣目指して生き抜くのです!〜  作者: カサイサン
第二部 角うさぎなのですよ! 〜うさ耳少女の神様修行〜
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修行 その十 愛護神殿の孤児 なに考えてんだコイツ!?

いつも、つたない作品をお読みくださいまして、ありがとうございます。

♪( ´▽`)


たぶん次回はメルルちゃん視点の話になると思います。たぶん……。

ようやく、第二部主人公が語り出すのか!?∑(゜Д゜)


これからも楽しんでいただけると嬉しいです。

 皆が寝静まった頃、ダンカンと孤児院を抜け出した。簡単な内鍵を開け、なるべく足音をたてないように敷地から出る。

 大通りを避け、大人の背丈ほどの石壁をダンカンと協力して乗り越えると村の外だ。


 ……前にも思ったが、あの石壁おかしくねえか? 表面がツルツルしてるから石だとは思うんだが、継ぎ目がまったくないんだよな。上から漆喰でも塗ってんのか? こんな小さな村の防壁にしちゃ立派すぎるだろ……。

 まあいい。ご立派な村壁から離れて目印を探す。


 今日は満月だ。月明かりに目を凝らして探していると……あった。そこそこの大きさの岩の下、埋めて隠しておいた道具類を袋から取り出す。

 中身は護身用兼、解体用のナイフ、手製の松明(たいまつ)、火打ち石と火口箱。


 カチカチと火打ち石を打ちつけて乾燥してほぐした草に火をつける。火が消えないうちに枯れた小枝に移してから、松明に火をつけた。これでようやく見えるようになったな。

 ダンカンと顔を見合わせて頷きあうと、やつの目が驚きで丸く見開いた。口をぱくぱくと動かしてオレの後ろを指差したから、振り向くと……。


「おにいちゃんたち、こんなところでなにしてるの?」


 松明の明かりに浮かび上がったのは、小首をかしげる金髪の小さな女の子!


「チビ助! なんでここに……」


 驚きのあまり大きな声で叫びそうならなったオレの口を、ダンカンが慌てて押さえた。スマン。いくら夜中で村から離れているとはいえ迂闊だった。

 村の連中に気付かれるかもしれないし、狼なんかを引き寄せてしまうかもしれないからな。

 ダンカンの目を見てうんうんと頷き、手を離してもらう。


「プハッ……! お前! チビ助、なんでここにいるんだ!」

 小声で怒鳴るという我ながら小器用なことをすると、不思議そうに見上げてくる。


「うーんと……よるにおトイレにおきたら、まどからおそとにでていくおにいちゃんたちがみえたから、こっそりついてきちゃった!」


 てへへ、と笑う。夜の闇の中、松明の明かりに照らされた白い肌がうっすら輝いて見えるような…………思わず見惚れてってイカンイカン、こんなチビになに考えてんだオレは!

 首をブンブンと振って、ダンカンに目を向ける。


「おい、どうする?」


「仕方ねえ……連れて帰るしかねえだろ。お偉いさんのガキをこんな夜中に連れ歩いてるのがバレたら、大目玉じゃすまねえぜ? 下手したらコレだよ、コレ」


 ダンカンが自分の首に手刀を当てトントンと叩いた。

 ……たしかに貴族やなんかのお偉い方々に関わったら、オレたちの首なんか簡単に飛ぶだろう。路地裏でも実際に見てきたからな。

 あいつらにとって、貧民なんてそこらにいる虫やネズミと変わらないんだろうさ。


「ちっ、せっかくここまで来たのによ……」


「え〜〜、せっかくきたのにもうかえっちゃうの?」


 口を尖らせて文句を言うチビ助。


「誰のせいだと思ってんだ! せっかく肉にありつけると思ったのによ!」


「おにいちゃんたちはおにくがたべたいの? なら、メルルがてつだってあげる!」


 言うなりを走り出したぞ、コイツ!?

 慌ててダンカンと追いかけるが、追いつけねえ……!

 嘘だろ!? 三歳のガキの走る速さじゃねぇぞ!


「はやくはやく〜」


 振り返って待つ余裕までありやがる!

 何者だよ、あいつ!? いやそんなことより、さっさと追いついて連れ帰んねえとオレたちの首がヤバいんだよ!! 待ちやがれ、コラ!!


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― 新着の感想 ―
更新お疲れ様です! なんていうか、メルルちゃんはある程度の魔物は倒してくれる、矛であり盾でもあるけど、大体の神様の寵愛を受けているから、怒らせたら即死っていう、地雷というか爆弾というか…。 でも、いい…
オークを狩りに行くのかな? ワンダリングなオークを見つけたメルたち、男子たちが警戒していると、メルは魔力(神力)を剣状に形成しておもむろに… メル「あ〜ばん、すらっしゅ!」 ワンダリングなオークは一刀…
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