修行 その六 愛護神の巫女 メルルちゃんは天才児⁈
いつも、つたない作品をお読みくださいまして、ありがとうございます。
m(_ _)m
一応は書き上がっていたんですけど、投稿予約を忘れて寝てしまいました……。(^_^;)
これに懲りずに、これからも楽しんでいただけると嬉しいです。
メルル様には小さな子供用の椅子に座っていただき、書き取りができるように四角形の、縁のあるお盆に砂を入れた板、砂板をご用意して授業を始めます。
この砂板なら何度でも書き直せますし、材料費も安くすみますからね。神殿学校の必需品です。
下は三歳から上は14歳まで、それぞれの進み具合に合わせて個別に教えていますが、今日の授業は文字の読み書き。
わたしの他にも教師役の神官が机をまわって教えていきます。
メルル様はわたしが担当。
読み書きができるかをお聞きしますと。
「うん! メルル、じはよめるよ! あとあと、けいさんもできます!」
と、右手をまっすぐに挙げて元気良くお答えしてくれました。
さすがは神の子ですね! 三歳で文字が読めて、その上計算までできるなんて!
一応、確認のために砂板に問題を書き、簡単なテストをしてもらいました。その結果は……。
・共通語の読み書き、文字(子音母音)→合格
・共通語の読み書き初級(簡単な単語と文章)→合格
・共通語の読み書き中級(単語と複雑な文章)→合格
・共通語の読み書き上級(難しい単語と敬語)→合格
・初級計算(足し算引き算)→合格
・中級計算(かけ算割り算)→合格
・上級計算(分数小数点)→合格
・超級計算(図形角度)→合格
・超ド級計算(関数方程式)→中止
メルル様があまりにも鮮やかに計算問題を解いていくので、興奮した計算担当の神官が専門の学者がやるような問題を出しかけたのでさすがに止めました。
もともと、この学校で教えているのは中級まで。これができれば商家への就職も有利になりますし、初級ができるだけでも買い物で騙されることも少なくなりますからね。
計算担当のこの方は神殿学校を開くにあたって、智神様の神殿から招聘した神官です。数秘学を専門に研究されているそうですが、三歳でスラスラと学者が解くような問題を回答していくメルル様に気持ちが昂ってしまったようですね。
「いや、さすがは神の子でいらっしゃいますな! もはやこの学校で教えるレベルのことはすべて習得しておられる。できるなら本神殿においでいただき、ともに数字の神秘について研究していただきたいほどでございます!」
まだ興奮冷めやらぬ口調で捲し立てる神官に釣られて、子供たちまで集まってきました。
「メルルちゃん、すごーい!」「まだ三歳なのにね!」
えへへ、と照れて右手で垂れ耳を撫でるメルル様。赤く染まった頬が可愛いですね。
……ただ、ほんの少しですがあまり歓迎していない様子の子もいるようです。あの子達は孤児院に来たばかりの子供たちのようですが……問題を起こさないといいのですけれども。




