修行 その四 愛護神 うわーん! ママ、寂しい!
いつも、つたない作品をお読みくださいまして、ありがとうございます。
m(_ _)m
久しぶりに会った叔父さんに「雨にも負けた。風にも負けた。雪にも夏の暑さにも負けた。そういう人です、わたしは」Tシャツを差し上げた。お古だけど。
代わりに「恥の多い生涯を送ってきたが、悪いか?」Tシャツをネットで注文しました。
アホなTシャツが好きなんです。カツ◯くんを追いかけるサザ◯さんのシルエットで「追いガツオ」とか。今度は何を買おうかな。
これからも楽しんでいただけると嬉しいです。
わたしはメルルを床に下ろすと言い聞かせるのです。
『わたしの可愛いメルル。これも神の子としての修行のひとつなのです。母から離れて寂しいかもしれないですが我慢するのですよ?』
「うん! メルルはだいじょーぶだよ、ママ! たっくさんおともだちをつくってかえるから、まっててね?」
うーん……。
ニコパで返してくれるメルルは今はまだ母親と離れる寂しさよりも、初めての地上での体験や新しい出会いの方に興味津々なようですね。
頼もしく思うのと同時に、まったく平気な様子なのも逆に少し悲しいというか……。
うわーん! 少しは寂しがってよう!
ママ、寂しい!
……なんて感情はおくびにも出さずにニッコリ返して、頭を撫で撫で。
『フフフ。楽しみにしているのですよ? リル、ラン。メルルの付き添いを』
我が眷属の二匹に……いや今は人型だから二人と呼ぶべきですか? 兎も角、声をかけると。
『分かったの、ミラお姉ちゃん!』
『かしこまりました、ミラお姉様』
と二人とも快諾。というか予定通りですけどね。
わたしのこの世界で初めての家族にして、信頼と実績の妹分。メルルのお試し保育の保護者枠として、これほど頼りになる者は居ないのです!
……隣でレイが少しムスッとしてるんですけど、お前はまた今度ね! ちゃんと事前に決めてきたんだから我慢しなさい!
本当は心配だからリル、ランだけじゃなくて眷属全員付けたいくらいですし、なんならディアお母様(地龍王)やマナお姉様(風龍王)もついていきたがったのです。大騒ぎになりそうだから断念してもらったのですけど。
それを言うならわたしだって離れたくはなかったのです! わたしが子離れできてないのですよ! メルルは可愛いから仕方ないんですけどね!
しかし、子供の前で情けない姿は見せられないからグッと堪えてメルルから手を離し、一歩離れるのです。
『メルル、良いことも悪いことも自分の心で感じ、考えて自らの糧とするように』
「うん!」とニッコリ頷くメルル。
それから、リルカちゃんの方を向いて暇乞いをするのです。
『では、リルカ。また会える日までしばしのお別れなのです』
「はい。ミルラーナ様……いえ、最後にわたしもミラお姉ちゃん、とお呼びしてもよろしいでしょうか。昔のように……」
フフッ、リルカちゃんにそう呼ばれるのも久しぶりですね。微笑んで頷くと、わたしは軽く両腕を広げてハグ待ちのポーズ。
「ミラお姉ちゃん!」
感極まって涙目で抱きついてきたリルカちゃんを、優しく受け止めてあげるのです。
よしよし。いい子いい子。格式ばった儀式の空気は完全に崩れてしまったけど、久しぶりに会ったんですからこれくらいは許して欲しいですね。
「ミラお姉ちゃん……ずっとずっと会いたかったの……」
『わたしもですよ、リルカちゃん。大きくなったのですね。もう立派なお姉さんなのです』
メルルを妊娠してからは化身での降臨もしてないですし、都合四年以上……五年近くは直接会ってなかったわけですからね。寂しい思いをさせてしまったようで申し訳ないのです。
少しの間、お互いの体温を感じ、ひとしきり旧交を温めた後、リルカちゃんの背中をポンポンと優しくたたき、体を放すと。
「……失礼いたしました、ミルラーナ様」
『いいえ。わたしも嬉しかったですよ、リルカ』
顔を赤らめて恥ずかしそうに言うリルカちゃんに、微笑み答えるわたし。
その後、改めて別れを告げ、光のエフェクト付きで転移するのです。光は演出ですけどね。
んじゃ、みんな元気でねー! サラダバー!
最後の「サラダバー!」は誤字ではなくて、ペ◯ソナ5のキャラのセリフネタです。
「さらばだー」と「サラダバー」をかけてるんですね。そしてネタの解説するのは寒いですね、はい、すみません。(^^;




