修行 その二 愛護神 愛護神の聖女誕生!
いつも、つたない作品をお読みくださいまして、ありがとうございます。
m(_ _)m
客商売にとって連休は鬼門。小学生の頃の夢が叶ったかのようですね。「わーい!毎日が日曜日(並に忙しいん)だぁ!」……早く夏休み終わってくれ……。
これからも楽しんでいただけると嬉しいです。
わたしは優しくリルカに語りかけるのです。
『もとより加護を与えていた上に、直接神託で話していたのですから今さらですが……リルカも無事に成人したことですし、改めてわたしの巫女として認めるのです。愛護神の巫女、リルカよ。わたしは幼き者の庇護者にして断罪者。そして愛し愛される者たちの守護者。わたしの教えを守り、幼い者を慈しみ、邪心を許さず、愛し合う者たちを祝福するのです』
目の輝きはそのままに、表情を引き締めて見上げてくるリルカちゃん。
「はい。愛護神ミルラーナ様の教えに従い、子供たちを守り導き、罪には罰を、愛し合う者たちにはその絆を祝福をいたしましょう」
うむ。真面目に修行や勉強に打ち込んでいたようだし、まあ大丈夫とは思うのですけど。リルカちゃんも大人になったばかりだから、あまり無理はしないようにね。
『その言や善し。我が巫女リルカよ。ならば、わたしから祝福を与えるのです。これからも励むのですよ』
わたしはメルルを抱っこしているのとは逆側の腕を上げて、リルカちゃんの頭のあたりにかざすのです。
そうして祝福をあげると、手からキラキラと神気が降り注ぎリルカちゃんの体を光らせるのですよ。
その光がおさまると、ついに堪えきれずにワッと歓声が上がったのです。
「愛護神様の聖女が誕生した!」「聖女リルカ万歳!」「祝福されし巫女リルカ!」
もともと、この場にいる連中は信心深い人たちですし、そこへきて神自らが祝福を与えての巫女認定ですからね。感動のあまり叫んじゃうのも仕方ないのです。ちゃんと称号も付いたしね。
『愛護神の聖女 若き神、愛護神ミルラーナの巫女であり祝福された聖女の証。十五歳未満の子供に対する治癒魔法の効果に大幅補正、ならびに罪業のある者に対して攻撃威力上昇。また、婚姻の祭儀を行うと離婚する確率が微減少する』
……治癒魔法の効果や攻撃威力はいいとして、最後のは微妙すぎない? 微減少って。
まあ、結婚生活が上手くいくかどうかなんて、その夫婦次第ですけどね。
『さて、我が巫女リルカよ。かねてより伝えていた通り、わたしと月神ルーナラーナ様の間に生まれた娘を連れてきたのです。名前はメルルーナ。我が子、つまり神の子として周知しておくように。メルル、挨拶を』
左腕に抱くメルルを促すとニッコリと屈託なく笑って頷いたのです。そして曰く。
「みなさん、こんにちは! ミラおかあさんとルーナおとうさんのこどもでメルルーナといいます! さんさいです! よろしくおねがいします!」
うん、三歳児にしては立派な挨拶なのです!
ただし、普通の人間の三歳と神の子の三歳ではスペックが違うから、知能や心の成長度合いも変わってくると思うのですけどね。
フフフン♪
まあ、そこら辺の三歳児と比べたら天才と言っても過言ではないのですよ!
愛情たっぷりの英才教育も施してあるしね!
具体的に言うと、学問はランとオデットさん担当で時々智神様が家庭教師してくれたし、体育はリルとレイ担当で時々戦神様が教えてくれるという超豪華教師陣。毎日じゃないですけどね。あと龍王様方も。
ディアお母様とウォルト母様が頭担当で、フラム母様とマナお姉様が肉体担当。別名脳筋。
みんな優秀で、苦手になりがちな勉強を楽しく遊んで覚えさせてくれたのです。
もちろん、習い事ばかりやらせていたわけでもなく、しっかりと遊ぶ時間もとったし。よく学び、よく遊び、しっかり食べて寝る。
スクスクと元気に育ったメルルは、今やどこに出しても恥ずかしくない美幼女なのです!
メルルのご挨拶がミニャのオモチャ箱のミニャちゃんのご挨拶とそっくりになってしまった……だって可愛いんだもの。後で直すかもしれません。




