第一章 プロローグ
いつも、つたない作品をお読みくださいまして、ありがとうございます。
m(_ _)m
今回から第二部、のつもりで書いておりますが、さてどうなりますか。しかも見切り発車。いつもと同じか。
また、連載という苦行が始まってしまったことに慄き怯えますが、楽しんで書けたらいいなぁ、とも思います。書きたいことは一応ありますからね。
これからも宜しくお付き合いのほど、お願い申し上げます。
その日、神殿にはたくさんの人々が詰めかけていた。
ここは先頃神の座に昇った愛護神の本神殿。
愛護神の加護も厚い少女が正式に巫女に就任するという式典が催されるのだが……。
なんと! その場に愛護神自ら降臨して祝福を与えるとの神託が下ったのだ!
神々の降臨など、神話時代以外では歴史上初めてのこと。あまりの事態に狂喜すると同時に、畏れ多いと恐懼する神官たち。
ただし、ごく一部の関係者にとっては普通のことであるが。愛護神は昇神したてであるためか、わりと頻繁に地上にやってきては親しい人物と交流しているのは公然の秘密である。
神殿の広間には多くの人々が跪き、愛護神の神像の前に神官長はじめ、巫女候補であるリルカと女神官たちが並び立っている。
そして……この村に住む者ならすでに馴染みの、白いトーガを纏った四人の女性も。
ひとりは、艶やかな白髪をショートカットにした十二、三歳ほどの少女。大きな赤い瞳はクリクリとして楽しげに見える。
ひとりは、白から青空の色にグラデーションしている長髪の美女。切れ長の同じく赤い目は油断なく人々を見渡している。しかし、村人たちはこの女性の視線は子供たちを見る時にはとても優しくなることを知っている。
ひとりは、黒髪の細身の少女。背中まで真っ直ぐ伸びた烏の濡れ羽色の髪に黒い瞳。いつもはいたずらっ子のようなヤンチャそうな顔を今日はキリリと引き締めている。どうやら敬愛する上位者から釘を刺されているようだ。
最後のひとりは、これまた白い長髪の楚々とした雰囲気の美女。黒い瞳は穏やかに微笑み、この日を迎えられたことを素直に喜んでいるかのよう。
「時間です」
グラデーションの髪の美女が告げると、四人のトーガを纏った女性たちは広間の四方に歩きだした。
そして隅に辿り着くと、壁に両手を向けて祈り出す。
すると、両手からキラキラと輝く光が神殿の壁面に吸い込まれていき、やがて壁全体、そして床や天井までが光に包まれた。
そう、四人は神殿に結界を張ったのである。
神々が本体を降臨させると濃密な神気によって、その場が聖域になってしまう。その影響を神殿内にとどめるために眷属たちを先に遣わし結界を張ったのだ。
準備が整うと四人は再び元の位置に戻り、神像の前に跪いた。それに倣う神官と巫女候補。
神官長が祝詞を捧げる声が響き渡り、人々がその声に唱和していく。
「生の側では幼きもの弱きものの守護者、死の側では咎人の断罪者、そは導き、弱きを見守り育てるもの、悪しきを断罪し正すもの、月に寄り添い、安息をもたらすもの、弱さを知り自らを鍛え神に至ったもの、愛護神ミルラーナよ。我らは祈りを捧げる者。我らを愛し、護り給う愛護神に感謝いたします。願わくば、その愛顧温情を新たな巫女に賜らんことを、伏して願い奉ります」
「「「伏して願い奉ります」」」
祈りの最後一節が終わった後、人々と神像の間の空間が光りだした。そしてその光が段々と強くなっていき、ついには眩しくて直視できないほどに輝き弾けると。
次の瞬間、そこには一人の女性が子供を抱いて立っていた。
人間の歴史が始まって以来、初めて人々の前に神が降臨したのである。
神官たちが唱える祝詞は、通りすがりの猫耳りす尻尾さんの感想返信からいただきました。ありがとうございます!




