番外編 その41 ミラさんの育児日記9
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『メルルがどのような神になるのか。あるいは真の神として立たずに、ただ神の子として生きるのか。まだ未来は決まってはいません』
そう。アシュアンナお義母様の言う通り、メルルがどういう存在になるのかはまだ分からないのです。
母としては、別に神にならなくても構わないんですけどね。だって責任とか義務があるし。
神としての司るものが決まってしまえば、あとはブラック企業も真っ青な永遠に続く業務が待っているのです。まあ、神になれば並列思考(神)とか、思考加速(神)とかあるからなんとでもなるのですが。
今も話し合いをしながらも、アシュアンナお義母様は世界の豊穣を、ルーナ様は魂の輪廻をしっかり管理しているのです。
むしろ、新米神様のわたしと違って御歳うん億歳のでぇベテランですから、マルチタスクだって軽いもの。いったい、どれだけのことを同時に処理しているんですかね、この二神は。
この星は地球ほど人口爆発してないし、文明が完熟してるわけでもないですが、それでも毎日どれだけの命が死んで、生まれているのか。考えるだけでも気が遠くなるのですよ。
おっと、話が逸れたのですが、ようは責任など負わずお気楽に神の子として生きたって、それはそれで別にいいのですよ。神でなければ地上に行くのもわざわざ許可も必要ないからお使いも頼みやすいですし。
その場合、立ち位置としては眷属に近いですかね。
ただ、親としてはやっぱり母を超えた神格になって欲しい、なんて気持ちもあるわけで。複雑な心境なのです。
『わたしは……メルルに何かを強制したくはないのです。ただ、メルル自身が選べる選択肢を増やしてあげたい。そして、メルルが決めたのなら応援してあげたいのですけれども……世界を管理する神々の側からすると甘い考えなのですかね』
眉根を寄せ、悩みながら自分の考えを言うと、周囲の空気が緩んだような気が……。なんで、みんなして生暖かい目で見てるんですか?
『うふふふ。それで構わないわよ、ミラちゃん。わたしだって、可愛いメルルに厄介ごとを押し付ける気なんてありませんからね。たしかに、この世界を補完してくれる神格は欲しいけれど、絶対に必要というわけでもないのよ?この世界は今もちゃんと回っているし』
ニコニコと話すアシュアンナお義母様。まあ、可愛い初孫に無茶を言うとは思ってないですけど。
『そうさ!メルルはまだ二歳なんだからね!それに僕たちみたいに神として「そうあれかし」と創られた存在じゃないから、今すぐに神格を上げたところで制御仕切れないだろう。まずは愛情を持って育てることが先だね。もちろん、我欲に塗れたり傲慢にならないように躾や教育は必要だけどさ』
ダダ甘のパパが躾とかよく言うわ!
まったくもう、叱る役はいつもお母さんじゃないですか!わたしだって憎まれ役以外もやりたいんですからね!




