番外編 その37 ミラさんの育児日記5
いつも、つたない作品をお読みくださいまして、ありがとうございます。
今日のメルルちゃんは、某這い寄る邪神さんのように這い寄って来ます。正気度チェックが必要でしょうか?
これからも楽しんでいただけると嬉しいです。
ニコニコとご機嫌さんの表情で、広い部屋の中をハイハイで動き回る我が娘。
今までは自力で移動できず、抱っこして運ばれるだけだったのが自分の意思で好き放題動き回れるようになったわけですからね。その気持ちも分からんでもないのです。
ちゃんとお部屋の床には厚手の兎毛カーペットを敷いてあるし、危険物も撤去済みだから問題無し。
気が済むまで這い回ると良いのですよ?
遠くまで行ってから方向転換、わたしの方を見てニッコリ。
やだ、うちの子可愛いすぎ……?
「ま〜ま!」
ハイハイ、ママはここですよー?
膝立ちで両手を広げると、ちょこちょこと這い寄ってくるのです。
這い寄る混沌ならぬ、這い寄る天使ですね。可愛い。というか神の子ですか。
馬鹿なこと考えてる間にゴール!
メルルの両脇に手を差し込んで持ち上げ、目を合わせてから額をコッツンコ。しかる後に優しく抱きしめるのです。
満足したのか、手足をバタバタし床に下ろせと訴えるので再び放流。よし、行ってこい。
ハイテンションでハイハイして動き回るのです。
うむうむ、メルルは順調に育っているようですね。
母は嬉しいのですよ?
時々、うさぎモードのリルや玉兎パイセンたちが並走したり、追いかけられたりして遊んでいるのです。
垂れ耳ロップイヤーの赤ちゃんと戯れるフサフサモフモフうさぎ達。
やっぱ、うちの子可愛い!(二回目)
誰ぞ、ビデオカメラをもて!
スマホでもデジカメでもいいから、この可愛いすぎる情景を保存したいのです!
『さすがにビデオカメラは無いかなぁ。ただし、僕たち神々の記憶領域は人間や動物のそれとは次元が異なるから、ちゃんと覚えようと思えばしっかり記憶して、いつでも思い出せるはずだよ?』
なんと!
自分の脳みそがいつの間にか大容量ハードディスクになっていたようですね!
これはいいことを聞いたのです!
それでは早速、愛娘の這い寄る勇姿を記憶せねば!
と、目線をメルルに向けようと思ったら……。
あれっ?
メルルが居ない!?
ついさっきまで、リルや玉兎パイセンたちと混じってハイハイしてたのに!
ほんの少し目を離した隙にどこへ!?まさか誘拐されたとか!!?
『……ミラちゃん、ミラちゃん。うちの娘はそこにいるよ?』
ルーナ様が指差すほうを見ても、パイセンたちがいるばかり。
……いや、一匹だけ体の小さな垂れ耳ロップイヤーの角うさぎがいて、一緒になってピョコピョコ跳ね回っているのです。めっちゃ楽しそう。
まだまだ子うさぎなのか、角も短くて丸いですね。
毛色も赤みがかった金色、つまりわたしと同じピンクブロンド?
メルル!?
いつの間に変化できるようになったんですか!




