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角うさぎ その5 あ、れ、ちょっ、ちょっと待、って、これ、やば、い、ので、す……!

 せっかく見つけた魔力草? 的な草ですが、考えてみたら毒草という可能性もあるのでは? と思うのです。


 誰かに毒味させるのも悪いですし、そもそもわたし、ボッチだし。


 笑いたければ笑えばいいのですよ!


 しかし、ホントにコレどうすればいいのですかね……。


 ①自爆覚悟で食べる。


 ②諦める。


 ③見ず知らずの他人、いや、他角うさぎに食べさせて様子をみる。


 ①はやっぱり怖いのです。

 せっかく生まれたこの命をあっさり捨てるには惜し……くもないのです?

 だって人間ならともかく、角うさぎですし。


 ②はアリといえばアリなのです。

 魔力循環訓練が出来るようになったので、無理して毒味をすることもないのですから。

 ただ、魔力循環だけで魔力が増えたり、進化の条件が満たせるかは分からないのです。


 ③はやっぱり無しなのです。

 いくら他人、いや、他角うさぎとはいえ、さすがに気がひけるのです。

 親兄弟姉妹はすでに全滅しているので親類はもういないのですが、自分から食べて死ぬのはともかく、わたしが積極的に食べさせて死なせてしまったら後味が悪いにもほどがあると思うのですよ。


 う〜〜〜〜〜〜〜ん、迷うところですが、せっかく何時間も休み休み魔力を回復させながら探し回って、やっと見つけた魔力草(仮)。


 ここは一発、女は度胸! いやメスは度胸で毒味してみるのです!


 毒草といっても、そんなピンポイントでトリカブトみたいに致命的な草に当たるとは思えないですし。


 それにそれに、いきなり全部食べるのではなく、ちょっとずつ、ほんのひと(かじ)りだけなら体調が悪くなるくらいで、即死はしないと思うのです。


 それでは、いただきます! なのです。


 ………………。


 なんというか、苦不味(にがまず)いのです…………。


 良薬は口に苦しともいうのですが、それにしても美味しくないのです。

 まあ味を追求するわけではないのですから、美味しい草は他で食べたらいいのです。


 さて、ひと齧りしたので、あとは様子見。体調を確認してみるのです。


 ぼーと時間をつぶすのももったいないので、その間に魔力循環訓練をするのですよ。

 幸いにも訓練の成果か、魔力が流れる速さが少しずつ上がっているのです。


 その上、流したまま行動することも出来るようになってきたのです。まだ、ゆっくり歩くくらいなのですが……。


 目指せ魔力突き! なのです!


 ん? 魔力の流れが強くなってきたような? 気がするのです。


 これは魔力草(仮)の効果なのですか!


 おおー、ひと齧りでこれだけ強くなるのなら、これは期待出来るのですよ!

 進化も、もはや目前! 指折り数えて待つばかり、なのです!

 ハッハッハッハッ……。


 んんんっ? なんか体が痺れてきたような? 気がするのです。


 あ、れ、ちょっ、ちょっと待、って、これ、やば、い、ので、す……!

 ……

 ……………………………………

 …………………………

 ………………

 ……


 うううっ、酷い目にあったのです。

 巣穴の中で試食していなかったら、また身動き取れずに、人やゴブリンに見つかって美味しく(食料的に)いただかれてしまうところだったのです……。


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― 新着の感想 ―
[一言] あ、夾竹桃の葉の『味』は、渋柿の『渋み』だけを取り出して、雑草の『青臭さ』と『苦味』を加えたような味でしたよ。 たぶん、カサイサンが想定した『魔力草』の味にかなり近いんじゃないかと思います。…
[気になる点] 初期の話への感想・・・ってか、なんて言うか・・・ [一言] 》苦不味い これなんですけど、たぶん一般的には『渋い』じゃないかと思います。 ちなみにコレにかなり近い味じゃないかと思うも…
[一言] うさぎちゃんや、まず口にせずパッチテストをしなさい。ピンポイントも何も、毒草はわりと自然界にありふれてるぞい
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