ヴォルパーティンガー その2 おやすみなのです!
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これからも楽しんでいただけたら幸いです。
リルを抱き上げて運び、そっと巣穴に押し込むのです。
……だって、人間の体の大きさではとても巣穴には入れないのですよ。
仕方ないから、手で押せるだけ押し込んでおくのです。
人間の手の長さで押せば、狼くらいでは届かないですし。
オークなら分からないですが、幸い付近のオークはほぼ殺してしまったので心配無用なのです。
フゥ、これでやっと一安心なのですね。
さて次は、キングの魔石をいただくのですよ。
強敵と書いて「とも」と呼ぶとまではいかないのですが、やつには敬意を表して魔石を吸収させてもらうのです。
キングを解体するなら、姿を元に戻さないといけないのですね。
人間の姿でも出来なくはないのですが、角がないので道具か魔法を使うしかないのです。
素っ裸に返り血を浴びるのも嫌なのですよ!
というか、毛皮のない裸はなんだか無防備な感じなのですね!
思わず片手を胸に、もう片手は大事なところに当てて隠してしまうのですよ! イヤ〜んな感じ!
または、片足だけ膝を曲げて、まいっち◯ぐ?
……余計なことをしてしまったのですね。まわりには誰もいないのですけど、自然と頬が熱くなってくるのです。
ヴォルパーティンガーとしてのスペックは変わらないはずなのですが、弱々しいというか、ナヨナヨしてるというか。
まあ嫋やかな乙女なのですから仕方ないのです!
兎に角!
変化を解いて、キングに近づくのです。
また金色に光ってむず痒さを味わったのですが、気付けば元通りの体なのです。
うん、やっぱりうさぎの姿が安心なのです。
進化したてで少し違和感はあるのですけど。
サクッとキングから魔石を取り出し、ハツとレバーも美味しくいただいたのです。
ぶっちゃけ、今までで一番美味しかったのです!
さすがはキング、味まで王様級なのですね!
それじゃあさっさと巣穴に入って、わたしも寝るとするのです。
進化のおかげで体力は回復しているのですが、心はめっちゃ疲れたのですよ。
もう精神的にも、満腹度も、お腹いっぱいなのです。
これ以上何が来ても対応し切れない、いやしたくないのです。
あ、寝る前にキングの魔石だけは食べておくのですよ。
巣穴に到着、入ろうとすると……角がつっかえるのです……。
ジャッカロープの説明の時から気付いてはいたのですが、せっかく作ったスィートマイホームが全部入れなくなったのです。
まるで、金にあかせて作りまくった別荘が、全部欠陥住宅だった気分なのですよ!
仕方ないのですけど!
もういいのです!
角に魔力を注いで、入り口を無理やり広げて入るのです。
入ったら振り返り、入り口を崩して埋めるのです。
これで今日のところはおしまいなのです。
一晩、外敵が入って来れなければ無問題。
ちょっと土がかかったけど、気にせずリルに寄り添って寝るのですよ!
おやすみなのです!




