番外編 その18 ミラさんの子作り奮闘記④
いつも、つたない作品をお読みくださいまして、ありがとうございます。
m(_ _)m
また今年もお漬け物が美味しい季節がやってまいりました。出したてをガツガツ食うので、乳酸菌が働くせいか、はたまた食物繊維の取り過ぎか。
腸の調子が良すぎてオナラがプープー出てくるんですよね。接客中にするわけにもいかず、我慢するしかないんですけど、お客様が途切れた瞬間にバックルームに駆け込んでプ〜〜。
すると次の瞬間、同僚が商品を探しにバックルームに入ってきたのです!
ダメ!今のわたしに近づかないで!Σ(^◇^;)
……なんて、マスクをしていた同僚はオナラに気付かずバックルームを去って行きましたとさ。
下世話な話で恐縮ですが、これからも楽しんでいただけると嬉しいです。
……最初の角うさぎ転生時のお母さんなのですか!
近寄ってわずかに膝を折り、目線の高さを魂に合わせると……再び魂は淡く光り、瞬いているのです。
まるで喜んでいるかのように。
……わたしのことが分かるのですか?
わたしもまだ幼かったからか、しっかり記憶してるわけじゃないですけど、わたしを生かすためにゴブリンに突っ込んで行ったのは覚えているのです。
もちろん、あわよくば母子ともに生き残れたら良かったんですけどね?
それが叶わないとしても、子供だけでも生き延びることができるのならば。「母親」とは自分の身を犠牲にすることも厭わないのですね
『フフ、母子再会といったところかな?片方は魂だけだけど。
元が角うさぎだから、玉兎になってもらうにはちょ〜っと時間がかかるけど、そばに居てもらいたいでしょ?』
……お気遣い感謝するのです、ルーナ様。
いつもはだいたい馬鹿らしいサプライズをしては呆れられる、なんてことを繰り返しているのですけれども。
時々、こういう本当に嬉しいことをしてくれるから憎めないんですよねぇ。
わたしはルーナ様に向き合うと、両腕を伸ばしてルーナ様の首に絡め、少しつま先立ちをして口づけるのです。
……いまだに頬は赤くなるけれど、キスくらいは流石に慣れたものですね。
そのままルーナ様の胸元に顔を埋めていると、あちらからも背中に手を回してキュッと抱きしめてくれるのですよ。
なんとも言えない、暖かく幸せな心地……。
安心するルーナ様の匂い……。
『喜んでもらえたようで僕も嬉しいよ。
まあ、玉兎になれたとしても、角うさぎとしての記憶は残らないと思うけどね。それでも、ミラちゃんと何かしらの繋がりを感じるだろうし、元の性格からいって乳母とか向いてるんじゃないかな?
命がけで子供を守れる乳母なんて、なかなかいないよ?』
たしかに。実際命がけで守った実績があるのですから、これほど信用できる乳母もいないですよね。
フフフ、わたしたちの子供が生まれたら、地龍王であるディアお母様に地母神アシュアンナお義母様をはじめ、水火の龍王様と風龍王のマナお姉様に、リルやランたちもお世話すると今から張り切っているのですよ?
玉兎パイセンたちも楽しみにしてるようですし、果たして新人乳母が活躍する余地があるかどうか。
『まあ、その時はその時さ。それならミラちゃんの身の回りのお世話をしてもらえばいいと思うよ?
子育てだけが仕事じゃないし。』
それもそうですね。
前の角うさぎ生では、短い間しか一緒にはいられなかったですが。
今のわたしたちならば、永く共に生きることができるはず。
わたしはルーナ様から離れ、そっと手を差し伸べながら魂に語りかけるのです。
(過去生ではお世話になったのです。あなたが生まれ変わる日を楽しみにしているのですよ?)
すると、母角うさぎの魂はまた淡く輝き……差し伸べた手に寄り添うと、スッと消えてしまったのです。
まるで、わたしの体の中に入ったかのように。
はっ?
『えっ?』
…………なんか入っちゃったんですけどお〜〜!?
『マジで〜〜!?』




