番外編 その17 ミラさんの子作り奮闘記③
いつも、つたない作品をお読みくださいまして、ありがとうございます。
m(_ _)m
はたして、ミラさんが注目した魂とは何者なのか⁈
なんて、バレバレですけどね。σ(^_^;)
これからも楽しんでいただけると嬉しいです。
立ち止まって、その魂をじっと見てるとルーナ様が気づいて話しかけてきたのです。
『おっ?さっすがミラちゃん、お目が高いね!
その魂は僕もお気に入りでね。生前に大功を立てたんだけど、元が階位の低い魔物だったから、僕の眷属にでもしようかと思って、ここで魂の修行をしてるってわけさ。』
へえー!
眷属にまでするとは、本当にお気に入りなのですね!
でも、ルーナ様がそこまで地上の生き物に入れ込むとは珍しいのです。いったいどんな功績を上げたのですか?
『聞いちゃう?それ聞いちゃうか〜!
いやぁ、いつかはミラちゃんにも聞いてもらおうと思ってたけど、今がいいタイミングかな。
それでは!話して進ぜよう!』
……ちょっとイラッとしたのは秘密なのです。
いまだに時々腹が立つ、このルーナ様のチャラいノリ。
いーから、さっさと話す!
『分かった!分かったから!
はぁ、この魂はね?ある角うさぎの魂なんだ。』
なに?角うさぎさんとな?
これは一気に親近感が湧いたのです!
最弱の角うさぎの身でありながら、月の神であるルーナ様に届くほどの功績をあげるとは、なかなか出来ることではないのですよ?
さぞかし英雄的な行為をしたのか、それともわたしのように進化して森の主にでもなったか。
『進化はしてないから、ただの角うさぎのままだね。それと英雄的な行為というのはあながち間違いじゃないかな?』
ほほう。
進化無しで英雄的行為をするとは、なおさらすごいじゃないですか。まるで、わたしのためにオークキングに立ち向かったリルのようですね。
リルでさえ、あの時は名付けで一段階進化していたわけですし。
いったい全体、どんな功績を残したのですか?
『この角うさぎはね、子供を産んだ母うさぎなんだ。4匹の子うさぎを産んだけれども、人に捕まったり、野犬やゴブリンに食べられたりと一匹しか生き残れなかったんだけどね。』
あ〜〜……。
やっぱり角うさぎの生存率は低いと言わざるを得ないのですねえ……。
それにしても、どこかで聞いたような話なのです。
まあ、角うさぎの生い立ちなんて似たり寄ったりですけどね?
『そして、最後に残った一匹は真っ白なアルビノでね。体は小さくて弱かったけど頭は良かったんだ。』
……アルビノ?
角うさぎ生は似たようなものでも、アルビノの子うさぎなんてそんなにたくさん居るものですかね?
もしかして……。
『もう分かったかな?
そう、この母うさぎの功績はね、ミラちゃん。
角うさぎとして地上に生まれた君を、自らの命をかけて護ったことなんだよ。
そして、その自己犠牲の行為に注目した僕は、転生していたミラちゃん、君を見つけたってわけさ。
彼女の犠牲がなければミラちゃんを早期に発見出来なかったかもしれないし、もしまだ見つけていなかったら、オークキング戦で君を助けることもできなかったかもしれない。
どうだい?大きな功績だろう?』




